Summary

  • ドイツ代表の第3GK争いを考察
  • 当確のノイアー、テアシュテーゲンに続くのは?

いよいよロシア・ワールドカップまでのカウントダウンが始まった。ドイツ代表は大会連覇を狙うが、時間の経過とともに大会のメンバー入りを巡る争いも熾烈さを極めていく。ヨアヒム・レーフ監督がロシアに連れていけるのは23人、そのうちGKの枠は「3」となる。バイエルン・ミュンヘンのマヌエル・ノイアーとバルセロナのマークアンドレ・テアシュテーゲンに当確ランプが付く中、残る1枠の座を手にするのはどの選手なのだろうか。残り1枠を狙う5人の候補を紹介する。

ベアント・レノ(レーバークーゼン

年齢:25歳
ブンデスリーガ通算出場数:218
無失点試合数:69

現段階で第3GKに最も近いのは25歳のレノだろう。2012年にシュトゥットガルトからレーバークーゼンに加入して以来、ブンレスリーガ218試合に出場して69回のクリーンシートを記録。レーバークーゼンでは正GKとして6シーズン目に突入し、ラース・ベンダーが欠場した試合ではキャプテンも務めている。

2014/15シーズンには527分間無失点というクラブの最長記録を更新。また、PKセーブ率が高いことでも知られ、これまで38本中9本のPKをストップしている。これはブンデスリーガではナンバーワンのセーブ率だ。代表では2017年のコンフェデレーションズカップのメンバーにも名を連ね、3ー2で勝利したオーストラリア戦に出場。ヨハヒム・レーフ監督は「レノはいいGKで練習でも素晴らしい。だが2失点目はセーブできたはずだ」とエールを送っている。

足元の技術に優れ、同年代のライバルと比べてもロングパスの精度は一級品。今季はレーバークーゼンもハイコ・ヘアリッヒ監督の下で確実に順位を上げている。チームが欧州チャンピオンズリーグの出場権を得るような成績を残せれば、レノのロシア行きの可能性もグッと高まるはずだ。

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オリバー・バウマン(ホッフェンハイム

年齢:27歳
ブンデスリーガ通算出場数:250
無失点試合数:67

ホッフェンハイムの正GKとして活躍するバウマンは、2010年から2014年まで所属していたフライブルク時代と合わせてこれまでブンデスリーガ通算250試合に出場。2016/17シーズンにはリーグ2位の12回のクリーンシートを記録し、チームの4位躍進に貢献した。

ホッフェンハイム加入以降はほとんどの試合で出場を続け、リーグ戦の欠場は退団が決まっていたイェンズ・グラールに先発の座を譲った2015/16シーズンの最終節(シャルケ戦)のみ。PKストッパーとしても実力を発揮し、直近の5本のPKのうち3本をストップしている。どういうわけか代表選考からは漏れ続けているが、代表クラスの実力の持ち主であることに疑いの余地はない。

© DFL DEUTSCHE FUSSBALL LIGA

ラルフ・フェアマン(シャルケ

年齢:29歳
ブンデスリーガ通算出場数:163
無失点試合数:46

フェアマンは同年代のGKと比較するとブンデスリーガでの出場試合数が少ない。しかし、20代の半ばからキャリア最高の時を迎え、2015年4月以降はブンデスリーガの全試合に出場。今やシャルケの絶対的な守護神へと成長を遂げた。

今季初めにはドメニコ・テデスコ監督からキャプテンに任命され、チーム内での重要性はさらに上昇。若い選手が多いチームをよく引っ張っている。Uー16からUー21まですべてのカテゴリーで代表に選出されていた実績もあり、3月に行われるスペイン、ブラジルとの親善試合で代表に招集されても驚きはない。

第18節のライプツィヒ戦ではジャンケビン・オギュスタンのPKを止め、GKとしての価値をさらに高めた。フェアマンはこれまで28本のPKのうち10本のセーブに成功。昨季はPKを4本ストップした唯一のGKでもある。ライバルとの比較でも今季の無失点試合はレノと並ぶ5試合。ドルトムントのローマン・ビュルキ、バイエルンのスベン・ウルライヒに次ぐ3位の成績を残している。

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ティモ・ホーン(ケルン

年齢:24歳
ブンデスリーガ出場試合数:104
無失点試合数:30

ケルンで生まれ育ち、2012/13シーズンからケルンのゴールを守り続けているホーンは、同年代のGKの中では群を抜く才能の持ち主だ。2014/15シーズンに昇格したケルンでブンデスリーガデビューを果たすと、デビュー戦から4試合連続で無失点を記録した初めてのGKとなった。

24歳にしてブンデスリーガ出場は100試合以上。Uー21ドイツ代表のキャップ数は「4」にとどまったが、2016年のリオ五輪では正GKとして銀メダルの獲得に貢献した。

開幕から不調が続くケルンにあって、今季のホーンはまだペナルティーエリア外からのゴールを許していない。これは試合を読む力とセービング能力お高さの証だろう。

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スベン・ウルライヒ(バイエルン・ミュンヘン

年齢:29歳
ブンデスリーガ出場試合数:195
無失点試合数:44

シュトゥットガルトの正GKだったウルライヒがバイエルンへの移籍を決断したのは2015年夏のこと。ノイアーの控えに回ることが明らかな状況でのこの移籍は周囲を驚かせた。実際、最初の2シーズンの公式戦出場はわずか10試合にとどまっている。

ところが今季は第5節にノイアーが負傷離脱。以来、ウルライヒが正GKの仕事を引き受けている。第6節のウォルフスブルク戦でミスを犯したが、その後は信頼に足るパフォーマンスを継続。シュトゥットガルト戦では古巣サポーターの反発に動じることなく、アディショナルタイムにPKをストップした。

バイエルンの守護神として試合に出場し続けたことで、ドイツ有数のGKであるという評判を取り戻すことに成功した。ただし皮肉なことに、ウルライヒのロシア行きの可能性はノイアーの離脱期間に大きく左右されることになりそうだ。

© DFL DEUTSCHE FUSSBALL LIGA / Simon Hofmann

ここに挙げた5人以外の選手にももちろんチャンスはある。前回ワールドカップで第3GKを担ったロンロバート・ツィーラーはシュトゥットガルトで安定感のあるプレーを見せているし、パリ・サンジェルマンのケビン・トラップもメンバー争いに加わってくるだろう。Uー21ドイツ代表で活躍したユリアン・ポラースベックもハンブルガーSVで正GKの座を手にしている。

今季終了までに何が起こるかは分わからないが、少なくともドイツには代表選考の対象となる優秀なGKが数多くそろっていることは確かだろう。


ドイツで優秀なGKが育つのはなぜ?
ケルン田口哲雄GKコーチのインタビューはこちらから