Summary

  • ドイツ代表で絶対的なレギュラーに君臨するキミッヒ
  • レーフ監督はキミッヒの資質と性格にゾッコン
  • 皇帝ベッケンバウアーをしのぐ偉大な記録を更新中

ロシア・ワールドカップ欧州予選の最終2試合に臨んだドイツ代表が、北アイルランドを3ー1、アゼルバイジャンを5ー1で一蹴し、全勝で本大会出場を決めた。前回チャンピオンとして大会連覇を目指すチームにあってフランツ・ベッケンバウアー、ベルティ・フォクツといったレジェンドと並ぶ存在になろうとしている選手がいる。バイエルン・ミュンヘンのヨシュア・キミッヒだ。

キミッヒは偉大な先人たちと並べられることについて、「すごく名誉のこと」としながらも「自分にとって大事なのはレーフ監督が信頼してくれていることだ」と話す。昨年5月29日に21歳で代表デビューを果たすと、そのまま欧州選手権のメンバーに食い込み、現在まで代表戦22試合連続出場中。皇帝ベッケンバウアーの21試合を上回った。これでキミッヒの記録を上回るのは1974年から1976年に26試合、1968年から1971年にかけて34試合に連続出場したフォクツのみとなった。

レーフ監督も思わずレギュラーを確約!?

キミッヒはこれまでデビュー戦を除くすべての試合にフル出場。そんなキミッヒに対してヨアヒム・レーフ監督は「彼は私がこの10年間で見てきた選手の中でも1番の才能の持ち主だ。練習でも常に限界まで力を出す根性とハングリー精神がある」と、その素質と性格の両面を絶賛している。

もともとはMFの選手だが、フィリップ・ラームの引退に伴い、現在はクラブでも代表でも右サイドバックとして起用されている。両チームでライバル不在の状態にあるキミッヒに対し、レーフ監督からは“レギュラー手形”とも取れる発言が飛び出した。「右サイドで世界トップレベルにあるのはヨシュア・キミッヒのみ。他の選手はもう少し成長する必要がある」

© gettyimages / Matthew Ashton - AMA

キミッヒがいるゆえの贅沢な悩み

キミッヒの右サイドとは対照的に、現在のドイツ代表には絶対的な左サイドバックがいない。これまで主に起用されてきたケルンのヨナス・ヘクターは、クラブでは守備的MFが主戦場。ヘルタ・ベルリンのマービン・プラッテンハートも選択肢の一つだが、キミッヒほどの決め手には欠ける。

また、レーフ監督が「サイドのポジションの層をもう少し厚くしたい」と話すように、キミッヒの代役となる選手が見当たらないのも悩みの種。当初は右サイドバックでの起用も検討されていたゼバスティアン・ルディ(バイエルン)は本職の中盤で結果を残し、レギュラー獲りへと邁進している。だからこそ、キミッヒの存在はより重要さを増してくる。

“クロスの神”は代表でも健在

ブンデスリーガの“クロスの神”は、ここまで代表戦22試合で3ゴール10アシストをマーク。直近9試合で8アシストと、攻撃でも欠かすことができない存在となっている。これだけの数字を残しながら、「その中には(7ー0で大勝した)サンマリノ戦も入っているからね」と本人は決して満足しないが、キミッヒが偉大な選手への階段を着実に上っていることは間違いない。