Summary

  • シュトゥットガルトの浅野がカールスルーエ戦で2ゴールの活躍
  • チームはリーグ戦6試合ぶりの勝利で首位に浮上
  • シュトゥットガルトを退団した細貝も浅野の今後の活躍に太鼓判

かつてのチームメイトがドイツと日本でお互いを刺激し合っている。

4月9日に行われたブンデスリーガ2部第28節のシュトゥットガルト対カールスルーエ戦で浅野拓磨が2ゴールをマークし、5試合連続で勝利から遠ざかっていたチームに勝ち点3をもたらした。

浅野がゴールを挙げるのは昨年11月28日以来14試合ぶり。動き出しは鋭く、チャンスには絡むものの、ゴールだけが遠いというゲームが続いていた。それでも浅野自身はポジティブな姿勢を保っていた。3月下旬のワールドカップ アジア最終予選で日本代表に合流した際には、しっかりとした口調でこう話している。「もちろん得点は欲しいですけれど、自分のプレーに対して自信はついてきています。それを早く、結果として見せたいですね」

アジア最終予選でクラブを離れている間に環境の変化もあった。ピッチ内外で信頼を寄せてきた同じ日本人の細貝萌が、Jリーグの柏レイソルに移籍したのだ。「ハジさんもいろいろと考えて決断したと思うので、ちょっと寂しくなりますけど、一人でも頑張っている姿を見せていきたいです。チームに合流してみないと分からないですけれど、一人になったらまた違った壁があるかもしれない。それも含めて楽しみに、前向きに、やっていきます」

そうして迎えたのがカールスルーエ戦。山田大記との日本人対決としても注目されたダービーで、シュトゥットガルトの背番号11は主役を演じた。レイソルに加入したばかりの細貝にとってもうれしいニュースだった。浅野の2ゴールについて聞かれると、柔らかな表情を浮かべた。「前節(4月5日の1860ミュンヘン戦)が終わった後、『ちょっと立場的に危なくなってきました』と話していたいんですよね」

シュトゥットガルトでの浅野は、ウイングやインサイドハーフで起用されてきたが、冬の移籍市場でアメリカ代表のジュリアン・グリーンが加入してきたこともあり、先発出場を確約されているわけではない。その一方で、ここまで6得点7アシストのカルロス・マネがケガで戦列を離れた。アタッカー陣の序列は混沌としている。ハネス・ウォルフ監督への分かりやすいアピールとして、浅野にはゴールが必要だった。

細貝が続ける。「2ゴールでまた一歩前に進めるというか、カールスルーエとのダービーで得点したのはすごく価値がある。彼が結果を残していくことはチームにとっても大きいと思いますね」

© gettyimages / Matthias Hangst

細貝自身は4月12日のリーグカップで移籍後初のフル出場を果たした。「久しぶりの90分でしたけど、コンディション的にはそれほど問題なかった。ただ、もっともっとできると思うし、試合に出ることでさらに良い状態に持っていきたいと思います」

浅野の活躍は刺激になるかと聞かれると、「もちろん!」と間髪入れずに答えた。「僕が移籍して一人になったと言っても、海外ではそれが普通のことですから。性格的にも何の問題もなくやれていると思うし、僕も彼を刺激できるように頑張りますよ」

30歳のボランチと22歳のアタッカーはこれからも互いを高め合っていく。

文=戸塚 啓