Summary

  • シャルケで頭角を現した21歳のDFケーラー
  • 今季はブンデスリーガで20試合に先発出場
  • 2017年4月のルールダービーでブンデスリーガ初ゴール

これまでシャルケはマヌエル・ノイアーやベネディクト・ヘーベデス、ユリアン・ドラクスラーなど数多くのワールドクラスを世に送り出してきた。そのシャルケでユースアカデミーから台頭した最新の“ダイヤの原石”として注目されているのがDFのティロ・ケーラー(21)だ。

10代でデビューを飾り、宿敵相手に初ゴール

2012年にシュトゥットガルトからシャルケのユースアカデミーに加入したケーラーは、2014/15シーズンにUー19のカテゴリーで優勝を経験。ホッフェンハイムとの決勝ではキャプテンマークを巻き、アシストを記録して3ー1の勝利に貢献した。当時のチームメートには現在マンチェスター・シティで活躍するレロイ・サネらがいたが、彼はベンチスタートだった。

2015年夏にトップチームに昇格すると、2016年2月のウォルフスブルク戦で短い出場時間ながらブンデスリーガデビューを飾った。翌シーズンにはヘーベデスとナルドの出場停止によってめぐってきたチャンスを生かし、見事なプレーでベテランの穴を埋めてみせた。

本当の意味でのターニングポイントとなったのが、2017年4月1日に行われた通算150回目のルールダービーだった。ケーラーは残り時間13分というところでブンデスリーガ初ゴールを挙げ、1ー1のドローに持ち込むことに成功。宿敵ドルトムント相手にホームで起死回生の同点弾を決めたことで、サポーターの愛情と脚光を集めることになる。

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ドルトムント戦の1週間前にはUー21ドイツ代表として初キャップを刻み、イングランドとの親善試合で途中出場。母の出身国であるブルンジ代表を選択することもできたが、父の祖国ドイツの代表チームでプレーすることを選び、昨夏にポーランドで行われたUー21欧州選手権では優勝も経験した。

この大会での出場機会は準決勝のイングランド戦のみだったが、その後はレギュラーに定着。2019年Uー21欧州選手権予選のコソボ戦、アゼルバイジャン戦、イスラエル戦では欠場したヨナタン・ター(レーバークーゼン)に代わってキャプテンマークを巻いた。ケーラーの活躍もあり、Uー21ドイツ代表は予選グループの首位を走っている。

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ノイアーらの系譜を継ぐアカデミー期待の星

今季からシャルケの指揮官に就任したドメニコ・テデスコ監督の存在もケーラーの成長を促した。今季は第24節終了時点で開幕から12試合連続フル出場を含む20試合に先発。第23節のホッフェンハイム戦ではブンデスリーガ通算2点目を挙げるなど、信頼に足るパフォーマンスでチームの3位躍進を支えている。

ケーラーにはセンターバックに必要な強さと危険察知能力、そして冷静な判断力が備わっている。驚くほど器用な選手で、これまで38試合の出場の中で異なる8つのポジションでプレー。最終ラインの全ポジションのほか、守備的MFやウインガーとしてしてもプレー可能だ。また、今季のブンデスリーガではタックル成功率55%、パス成功率88%という数字を残している。

シャルケユースはノイアー、ヘーベデス、メスト・エジル、ドラクスラーという2014年のワールドカップ優勝メンバーを筆頭に世界的なスターを生み出してきた。今季のブンデスリーガでアシストランキングのトップに立つフィリップ・マックス(アウクスブルク)もシャルケ育ち。イングランドでリーグ杯を制したばかりのマンチェスター・シティにはシャルケ出身のサネとイルカイ・ギュンドアンがいる。

ケーラーが彼らの仲間入りを果たす日は近い。シャルケの下部組織で育ち、今もチームに在籍しているのはラルフ・フェアマン、マックス・マイヤー、ウェストン・マッケーニーとひと握りだが、成長するためにシャルケから巣立つ必要がないことはケーラー自身が証明している。

ケーラーは同世代の選手の中でも飛び抜けた存在であり、シャルケ出身の新たな才能としてA代表に呼ばれる日も近いだろう。一つだけ確かなのは、シャルケにとってのダイヤの原石はケーラーが最後ではないということだ。

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