Summary

  • フランクフルトのコバチ監督が来季からバイエルンを指揮
  • 今季はフランクフルトで高い手腕を発揮
  • コバチ新体制のバイエルンの布陣を予想

ブンデスリーガ6連覇を達成したバイエルン・ミュンヘンの来季監督に、アイントラハト・フランクフルトのニコ・コバチ監督(46)が就任することが決まった。ユップ・ハインケス監督の後任という極めて難しい仕事を引き受けたコバチ監督は、王者にどのような変化をもたらすのだろうか。前任者よりも26歳年下の気鋭の指揮官が新天地でどのような采配を振るうのかを考察した。

新指揮官は3バックを好んで採用

コバチ監督は現役時代にバイエルンのMFとして活躍し、2003年にはブンデスリーガとドイツサッカー連盟カップの2冠を達成。指導者としては2016年3月にフランクフルトの監督に就任するまで、オーストリアのザルツブルクや母国クロアチアの代表監督などを歴任した。昨季は後半戦の失速もあって最終的に11位に終わったものの、今季は第30節を終えて堂々7位。欧州カップ戦の出場権が狙える位置にチームを導いている。

では、彼が2年間率いてきたフランクフルトを参考にバイエルンの来季の布陣を予想してみよう。コバチ監督は対戦相手によって戦い方を変える指揮官であり、今季はブンデスリーガ30試合で異なる7つのシステムを採用してきた。これは選手層に厚みと幅があるバイエルンに向いている手法と言えるかもしれない。とはいえ、コバチ監督にも一定の好みがあり、最終ラインの構成は基本的に3バック。これは4バックをベースとしてきたバイエルンにとって大きな変更点となり得る。

フランクフルトの3バックは187センチの長身DFダビド・アブラハムが自陣ペナルティーエリア内の制空権を握り、カルロス・サルセドやシモン・ファレットがスペースのケアを行う。そして、コバチ監督が最も信頼を置いているのが34歳の長谷部誠だ。長谷部は3バックの中央、あるいは守備的MFを担い、自軍の最終ラインと中盤の間を動き回り、後方から効果的なパスを供給している。

長谷部の前方に位置するのは今季コバチ監督に最も起用されているケビンプリンス・ボアテングだ。昨夏に加入したボアテングは7分ごとに1対1に勝利し、ここまで6ゴール1アシストを記録している。フランクフルトには優れたウインガーがいないように見えるが、両サイドにはティモシー・チャンドラーなど生来のワイドプレーヤーを起用。2列目のミヤト・ガチノビッチとマリウス・ウォルフは2人で計50試合に出場して5得点10アシストを記録している。数字だけを見ればアリエン・ロッベンとフランク・リベリの“ロベリ”に迫る勢いだ。

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中盤のファーストチョイスはハメス?

指揮官の選手起用の傾向を踏まえると来季のバイエルンはどんな布陣になるのだろうか。アブラハムの代わりは同じく195センチと長身のニクラス・ズューレが適任だろう。その両脇にはパス成功率90%を誇るマッツ・フメルスと、後方からのパスで12本の枠内シュートを引き出しているジェローム・ボアテングを配置。守備面のあらゆる仕事を引き受けてくれるズューレの横でプレーすることで、この2人は攻撃の起点としてより機能するかもしれない。また、広大なエリアをカバーするGKマヌエル・ノイアーがいれば、ウイングバックに入るヨシュア・キミッヒとダビド・アラバの後方のスペースもケアできるだろう。

バイエルンの中盤には恐ろしいほど豊富な戦力がそろっているが、スター軍団の中にあってもハメス・ロドリゲスは間違いなく特別な選手だ。レアル・マドリード時代と比べると、バイエルンでは中央のより深い位置でプレーして多くのチャンスを創出。今季は83分に1点のペースで得点に絡んでいる。コバチ監督のチームでも間違いなく中心となるはずだ。

ハメスとともに中盤を担うのは誰になるのか。シャルケから加入が決まっているレオン・ゴレツカが、アルトォーロ・ビダル、ティアゴ・アルカンタラ、コランタン・トリッソの間に割って入るかもしれない。他にも攻撃的MFにはトーマス・ミュラー、ロッベンとリベリ、さらにはキングスレイ・コマンと一線級のタレントがそろっており、ハイレベルなポジション争いが展開それることは間違いなさそうだ。

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