Summary

  • ケルンは1992/93シーズン以来のヨーロッパの舞台を目指す
  • 第32節終了時点でEL出場圏内の6位と勝ち点1差の7位
  • 残り2試合でレーバークーゼン、マインツと対戦

1992/93シーズン以来、25年ぶりにヨーロッパの舞台へ返り咲くため、ケルンが粘りの戦いを続けている。今季は開幕から7戦負けなしの素晴らしいスタートを切り、ウィンターブレークを7位で迎えると、その後も欧州リーグ(EL)の出場権を得られる6位以内を常に射程圏に捉えてきた。

苦境を乗り越えてEL出場権争いを継続

第28節のメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)戦、第29節のアウクスブルク戦で今季2度目の連敗を喫した時には、ヨーロッパ行きを目指す挑戦は終わりを告げたかに思われた。第30節、第31節に控えていたのは欧州チャンピオンズリーグ(CL)のストレートインを狙うホッフェンハイムドルトムントとの連戦である。この2チームとの対戦はケルンでなくても難しい。

ところが、今季の行方を決定づける連戦で、ペーター・シュテーガー監督率いるチームは粘り強さを発揮する。この2試合を連続ドローで乗り切り、EL出場権戦線に生き残ることに成功したのだ。そうして迎えたのが第32節のブレーメン戦だった。第31節終了時点の順位はブレーメンが勝点45の6位、ケルンは同42の8位だった。EL出場圏内へ飛び込むには引き分けも許されない。

必勝態勢で試合に臨んだケルンは序盤から攻撃陣が爆発。主砲アントニー・モデステのゴールで先制すると、レオナルド・ビッテンクールトもそれに続く。40分までに一度は追いつかれたものの、シモン・ツォラーのゴールですぐに突き放すと、47分にはモデステがドッペルパック(1試合2得点)を達成。4ー3の撃ち合いを制し、得失点差でブレーメンをかわして7位へ順位を上げた。

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チーム浮沈のカギを握る大迫勇也

前節終了時点でEL出場圏にいる5位フライブルクとは勝ち点2差、6位ヘルタ・ベルリンとはわずか1差である。そして、残り2試合の相手はレーバークーゼンマインツだ。

勝点37で12位のレーバークーゼンは、ここ5試合勝利から見放されている。ただし、ケルンとはローカルダービーの関係にあり、チームの調子や順位がそのまま当てはまらない一戦となる。武藤嘉紀所属のマインツは残留争いの渦中にあり、こちらもタフな戦いとなるだろう。

では、ケルンは残り2試合をどのように戦うのか。ドルトムント相手にクリーンシートを記録した一戦では、4ー1ー4ー1の布陣で守備に軸足を置いた。反対にブレーメン戦では4ー3ー3システムを採用して攻撃を重視している。選手の立ち位置は似ているものの、メンタリティは対照的だった。

チームの戦略が攻撃、守備のどちらに傾くとしても、ケルンの攻撃のキーマンとなるのが大迫勇也だ。モデステと2トップを組むのであれば、前線でボールを引き出しながらエースの得点力を引き出す役割を、3トップのウイングに入るなら、左右のバランスを取りながらゴール前へ飛び込んでいく役割を担うことになるだろう。

ケルンというチームは大迫がいることで戦術的な柔軟性を高め、攻撃の脅威度も増す。ボールタッチ数、パス成功率は攻撃陣最多であり、シュート数はモデステに次ぐ2番目、クロス本数もマーセル・リッセに次いで多い。ポジションがどこであれ、大迫は守備を疎かにすることもない。

就任4シーズン目のペーター・シュテーガー監督の下、ケルンは一昨季は12位、昨季は9位と右肩上がりにレベルを上げてきた。そして、ピエール・リトバルスキーやクラウス・アロフスを擁してUEFAカップ(現EL)決勝進出を果たした1985/86シーズンのチーム、つまりヨーロッパの舞台で戦えるチームへと一歩ずつ成長している。

ケルンはELの出場権をつかむことができるのか。シュテーガー監督と選手たちにとって、今季の残り2試合は野心的なチャンレジとなるに違いない。

文=戸塚 啓