Summary

  • フランクフルトのレビッチがW杯で躍動
  • アルゼンチン戦で貴重な先制ゴールをマーク
  • 今季のDFB杯決勝では2ゴールを挙げて優勝に貢献

アイントラハト・フランクフルトに所属するクロアチア代表のアンテ・レビッチが、6月21日に行われたロシア・ワールドカップのアルゼンチン戦で素晴らしいゴールを決め、クロアチアのサッカー史に名を刻んだ。一躍、注目を浴びているレビッチについてそのキャリアを紹介する。

2017年2月、当時フランクフルトを率いていたニコ・コバチ監督は、ダルムシュタット戦で素晴らしい活躍を見せたレビッチをこう称賛した。「夏にレビッチが加入した時、喜んでくれた人は一部だったが、この試合で見せたプレーで誰もが彼の実力を理解しただろう」

その後もコバチ監督の下で安定したパフォーマンスを見せ続けたレビッチは、2017/18シーズンの公式戦で9ゴール3アシストを記録。その数字以上に彼の潜在能力の高さを強く印象づけているのは、ビッグゲームや格上相手の試合での勝負強さだ。フランクフルトは2シーズン連続でドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)の決勝に進出。今季は王者バイエルン・ミュンヘンと対戦したが、レビッチはこの試合で2ゴールを挙げてクラブに30年ぶりのタイトルをもたらした。

ドルトムントと対戦した2016/17シーズンの決勝は敗れはしたものの、完璧なファーストタッチから得点を決めていた。レビッチが持つ強さ、パワー、冷静さはフランクフルトのカウンター攻撃に完璧に合致。他のアタッカーほどゴールを量産してきたわけではないが、彼は守備の重要性を理解している。バイエルン戦でセバスティアン・ハラーではなくレビッチが先発起用されたのも、彼の特性をよく知るコバチ監督の戦術的手腕だろう。

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コバチ監督はクロアチア代表を率いていた2013年にW杯出場権を懸けたプレーオフでレビッチを起用。レビッチはその期待に応えてアイスランド戦の勝利に貢献した。しかし、ブラジル大会ではグループステージのメキシコ戦でレッドカードを受け、キャリアに汚点をつけてしまった。

その後、2015年6月から2017年11月まで代表に呼ばれることはなかったが、クラブでの活躍が認められて代表復帰。2年半ぶりに招集された昨年11月時点では、「代表に戻れて本当にうれしい。でも、来年の本大会のことはまだ考えない。まずはフランクフルトでしっかりやることだ。それができれば、すべてがうまくいくと思う」と話し、W杯出場については慎重な姿勢を見せていた。

才能を認められながらも、才能を発揮できるチームを見つけられない。レビッチが歩んできたのはそんなキャリアだった。2014/15シーズンにはフィオレンティーナ(イタリア)から当時2部のライプツィヒに期限付き移籍したが、出場機会はわずか10試合に終わった。エラス・ヴェローナに期限付き移籍した翌シーズンもクラブを2部降格から救うことはできなかった。

それでも2016/17シーズンのフランクフルトへの期限付き移籍が転機となった。レビッチはようやく安定したプレーを見せるようになり、すでに完全移籍も勝ち取っている。DFB杯決勝で得点を挙げたことで、フランクフルトの人たちはレビッチを家に迎え入れるように歓迎するだろう。そして今回のアルゼンチン戦でのゴールにより、クロアチアの人々からも同じような愛情を受けるに違いない。

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