宇佐美所属のデュッセルドルフはドルトムントに今季初めて土をつけた - © Maja Hitij/Bongarts/Getty Images
宇佐美所属のデュッセルドルフはドルトムントに今季初めて土をつけた - © Maja Hitij/Bongarts/Getty Images
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宇佐美貴史「弱者のサッカーでも勝てば強者」

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12月18日に行われたブンデスリーガ第16節で宇佐美貴史所属のフォルトゥナ・デュッセルドルフが今季無敗を誇っていた前半戦王者のドルトムントに土をつけた。

狙いどおりの金星「これもまたサッカー」

金星を手繰り寄せたのは徹底的に割り切った守備と狙いを絞った明確な攻撃だった。自陣に引いて粘り強く守り、ボールを奪ったらドディ・ルケバキオのスピードを生かしたカウンターで少ないチャンスをモノにする。90分でのボール支配率はわずか30パーセントと防戦一方だったが、どんな戦い方であろうと勝利は勝利。この試合で決勝ゴールをアシストした宇佐美貴史も「ウチらしい戦い方、いい勝ち方だった」と胸を張った。

「勝ったほうが強いのがサッカーだとしたら、弱者のサッカーでも勝てばそれはもはや強者ですよね。今日の試合で“どちらがサッカーをしていたか”と言えば間違いなくドルトムントだったし、僕らは相手のサッカーに付き合っていた。でも、やられる気はしなかったし、結果的に僕らが勝った。見ている人たちがどう言うかは分からないけど、3ポイントが取れて、応援に来てくれた人が喜んでくれて、チームもいいフィーリングで次に向かえる。これもまたサッカーだと思う」

- Dean Mouhtaropoulos/Bongarts/Getty Images

年内最終戦に勝って後半戦へ

今季昇格を果たしたデュッセルドルフはドルトムント戦までの15試合で3勝3分け9敗の16位と苦戦。戦力的にもブンデスリーガ仕様のチームに仕上がっているとは言い難い状況だった。それでも過去15試合で格上がそろうリーグでの戦い方、経験値を確実に積み重ね、第12節には昨季王者バイエルン・ミュンヘン相手に劇的ドローも演じていた。

「前半のような回され方はもう慣れたものというか、バイエルン戦でもボルシアMG戦でもそうだった。ドルトムントだからといって特に驚きはなかったし、その辺は自信を持ってやれた。回されても“回させている”というか、大事なところではやられていないという感じだった。点を取られる恐怖心で、いっぱいいっぱいということもなかった」

大金星によって15位に浮上したデュッセルドルフは次節、17位のハノーファーと残留争いの直接対決を迎える。宇佐美は言う。「終わり良ければすべて良しじゃないけど、次も勝てればいい流れで、自信を持って、後半戦に向かえると思う」。年内ラストマッチでの勝利が、後半戦逆襲への起爆剤となる。

文=湊 昂大