Summary

  • ヘルタは第10節終了時点で4位と躍進中
  • 現在のペースで勝ち点を獲得すると、第34節終了時点での勝ち点は「68」に
  • 今季はホームゲームの観客動員数が1試合平均で5000人増

ヘルタ・ベルリンが第10節終了時点で4位と上位争いを演じている。昨季も前半戦を3位で折り返す大躍進を見せたが、その時点で“欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場の可能性”は声を潜めて話すテーマでしかなかった。実際、ヘルタは後半戦に息切れして最終的には7位でフィニッシュ。控えめな姿勢が正しかったことが証明されてしまった。

今夏の欧州リーグ(EL)予選で敗退を喫した事実も加味すれば、サポーターにとっては失望のほうが大きかったかもしれない。しかし、「残留争いに巻き込まれない」という当初の目標を大きく上回った昨季に続き、今季もここまでは上々の出来。今のヘルタには“CL出場の可能性”を口にするだけの資格が十分にあるはずだ。

勝ち点68を稼いでCLへまっしぐら?

シーズンのほぼ3分の1を消化し、ヘルタはすでに20ポイントを獲得。このままのペースでポイントを積み上げていくと、第34節終了時点での勝ち点は「68」になる計算だ。この成績は過去数シーズンと照らし合わせると、最低でも3位以内に入る数字。つまり、ストレートインでのCL出場に手が届く。

しかし、選手からそうした声は聞かれず、誰もが時期尚早だと口をそろえる。後半戦失速という苦い思いを味わった昨季のことが頭をよぎるのかもしれない。11月4日のメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)戦でハットトリックを達成したサロモン・カルーも、「まずは自分たちを信じること。そうすれば何かを手にできるはず」と控えめな言葉に終始している。

昨季とは異なり、今季のヘルタはほとんど補強に頼らずにシーズンを戦っている。新戦力と言えるのは、リバプール(イングランド)からレンタルで加わったブラジル人のアランとアウクスブルクから獲得したアレクサンダー・エスワインぐらい。補強の目玉としてレギア・ワルシャワ(ポーランド)から獲得したスロバキア代表MFのオンドレイ・ドゥダは、負傷のためリーグデビューがお預けになったままだ。また、第3節のシャルケ戦でじん帯を損傷したブラジミール・ダリダも、戦列復帰までにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

安定感抜群の主力と躍動するヤングスター

もっとも、今季のヘルタはレギュラーの大半がケガに悩まされることなくシーズンを過ごしている。ゴールマウスを守るルン・ヤルステイン、守備の要ジョンアンソニー・ブルックス、前主将のファビアン・ルステンベルガー、タフネスが売りのペア・シェルブレッド、そして原口元気とベダド・イビシェビッチ。ほとんどの主力がピッチでコンスタントに好パフォーマンスを見せている。ゼバスティアン・ラングカンプとマービン・プラッテンハートの2人も、代表戦による中断期間中にケガは癒えるはずだ。

安定感のある主力に加え、今季は21歳のニクラス・シュタークと22歳のミチェル・ワイザーのヤングスター・コンビもレギュラー取りに成功した。スポーツディレクターのミヒャエル・プレーツは特にワイザーのプレーを高く評価。「両サイドでプレーができて、複数のポジションをこなせる選手」と、そのユーティリティー性を買っている。さらに彼らの後ろには19歳のマクシミリアン・ミッテルシュテット、20歳のシナン・クルトが控えており、レギュラー組がうかうかしていられない好循環が生まれている。

成熟したチームを“ベルリンっ子”も後押し

今のヘルタは経験豊富な選手と生きのいい若手がうまく融合し、それがチームの強さにつながっている。プレーツSDも「チームがより成熟してきている」とその成長に太鼓判を押す。また、今季は昨季と比べてホームゲームの観客動員数が1試合平均で5000人も増加。ホームチームにとって“ドル箱”と言えるバイエルン・ミュンヘン戦、ドルトムント戦がまだ行われていない中での観客動員大幅増は、現在のチームが手厳しいヘルタサポーターの心をがっちりつかんでいる証拠だろう。

サポーターの大きな後押しを受けたヘルタが昨季の失敗を生かすことができれば、いずれは選手たちの口から“CL出場の可能性”についての話が聞けるはずだ。