王者撃破の陰の立役者はボールボーイ
ホッフェンハイムがバイエルン・ミュンヘンをホームで下し、6連覇をもくろむ王者の出鼻をくじいた。ゲームを決めたのは殊勲の2ゴールを挙げたマーク・ウトだが、ホッフェンハイムのUー14チームに所属するストライカーが“陰の立役者”として脚光を浴びている。
両チームともに無得点で迎えた27分、バイエルンのDFマッツ・フメルスがタッチラインの外にボールを大きくクリアすると、アンドレイ・クラマリッチがすかさずスローインでゲームを再開。これを受けたウトが速攻から鮮やかにゴールネットを揺らしてホッフェンハイムが先制を挙げた。この時、クラマリッチに間髪入れず新しいボールを渡したのがボールボーイを務めていた下部組織の少年だ。
この日のヒーローは51分にも追加点を決めたウトだが、隠れた主役は“お手柄アシスト”を決めたボールボーイだろう。ユリアン・ナーゲルスマン監督は、「ゴールの大部分が彼のおかげと言うわけではないが、いい形で絡んでくれた」と少年を称賛。「ウチの育成方針は一貫している。だからボールボーイもすぐにボールを出してくれた」と、クラブの教えが末端にまで行き届いていることに誇らしげだった。
バイエルンを見事に出し抜いたボールボーイはすっかりヒーローとなり、クラマリッチが「(ボールを出せと)大声を出してしまったことを謝らなければいけない。彼がすぐに反応してくれたことに感謝だよ」と言えば、ゴールを決めたウトも、「彼にユニフォームでもプレゼントしようかな。とにかく何かしらしなくちゃね」とお礼を約束した。