バイエルン撃破のカギを握るトゥヘル監督(中央)、ワイグル(左)、ロイス(右) - © © gettyimages / imago
バイエルン撃破のカギを握るトゥヘル監督(中央)、ワイグル(左)、ロイス(右) - © © gettyimages / imago

ドルトムントが王者に勝つための“3つの対策”

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4月26日に行われるドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)準決勝は、今月初めの“デア・クラシカー”の再戦となる。ドルトムントが勝てば4年連続の決勝進出。同時に1ー4で敗れたリーグ戦のリベンジも果たすことになる。戦術家で知られるトーマス・トゥヘルは何らかの秘策を練っているに違いないが、ここでは第28節の敗戦から浮かび上がった3つの問題点を取り上げ、その対策を考えてみよう。

問題点(1)“ロベリ”の存在

ペップ・グアルディオラがバイエルン・ミュンヘンを指揮していた昨季、アリエン・ロッベンとフランク・リベリの出場時間は激減し、両サイドにはドグラス・コスタとキングスレイ・コマンが多く起用された。しかし、カルロ・アンチェロッティ監督の就任後は再び方向転換し、ロッベン&リベリの“計67歳コンビ”を重用。それに応えるように2人はピッチで輝きを放っている。

第28節の対戦で、リベリは74分にベンチに下がったにもかかわらず、スプリント「39」、集中ラン「84」という驚異的な数字を残した。一方でクロスの数はわずか「1」。リベリはフェリックス・パスラックをかわして縦に突破するよりも、中に切り込んで中央でプレーすることを好んだ。そして、そのリベリのパスを最も受けていたのが右ウイングのロッベンだ。ロッベンは驚異的なスピードでマーセル・シュメルツァーとマルク・バルトラの間にスペースを作り出し、おなじみのカットインから何度となく左足でシュートを放っていた。

対策:リベリのマークはピシュチェク、システムは4バックを採用

パスラックは昨年8月のドイツ・スーパーカップでリベリを抑え込んだが、前回対戦ではやり方を変えてきたリベリに全く対応できなかった。一方でルカシュ・ピシュチェクは今季好調を維持しているだけでなく、1ー0で勝利した昨年11月の対戦でもリベリとのマッチアップに勝利している。31歳のピシュチェクにパスラックのようなスピードは望めないが、ベテランならではの試合を読む力がある。両足が使えることもリベリ封じのカギとなりそうだ。

また、トゥヘル監督はシステムに変化を加えることも念頭に置くべきかもしれない。最近は3バックの採用が多いが、このシステムでは左ワイドを務めるキャプテンのシュメルツァーが高い位置でプレーするため、背後のスペースを使われることに不安がある。“ロベリ”にいったんスペースを使われてしまうと、どうすることもできない。そう考えると、フラットな4バックを選択するほうが妥当だろう。

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