シャルケは9月9日のブンデスリーガ第2節でバイエルン・ミュンヘンと対戦し、0ー2で敗れた。王者相手に81分まで健闘したものの、終盤に2失点。これで開幕2連敗となり完全にスタートでつまずいてしまった。しかし、シャルケのゲーム運びはサポーターの共感を呼ぶものであり、新加入選手の動きは今後に期待を抱かせるものだった。

2試合を終えて勝ち点もなければ得点もなし。バイエルン戦後、選手たちは肩を落とし首をかしげた。だが、意外にもスタンドからは歓声が上がった。このサポーターの行動にクリスチャン・ハイデルSDは、「観客はチームが全力を出し切ったことをくみ取ってくれた。この大きな拍手はいい仕事をしたことに対するご褒美だ」と話した。

圧倒的な力を持つ相手に対して「戦う姿勢」を前面に押し出し、必死に走ったチームに観客は正当な評価を与えた。この日のシャルケは決して守りに徹することなく、勇敢にゴールを狙い、強い意志、アグレッシブさを見せていた。

ただ本来の理想は、そうしたプレーを90分間続けること。それは選手たちも分かっていたはずだ。バイエルンのような相手には75分間いい動きをしたとしても不十分。事実、豪華な控え選手をそろえるバイエルンがペースを落とすことはなく、数少ないチャンスをしっかりとものにした。効率の良さを見せつけられた格好だ。

それでもシャルケは、均衡が破れるまでの多くの時間帯でバイエルンを苦しめた。レオン・ゴレツカも「相手を追い詰めることができたし、試合を楽しめた部分もある」と試合内容には満足していることをうかがわせた。

新戦力が希望を与える

バイエルン戦では今後のシャルケの方向性を示す重要な点が見られた。チームはマークス・ワインツィアル監督の下、献身的かつ積極的な守備に取り組んでいる真っ最中だが、その成果が見られただけでなく、プレーの楽しさも生み出している。ベネディクト・ヘーベデスも「今日は自分たちの目指しているシャルケを見せることができた」と話し、チームが正しい方向に進んでいることを強調している。

新天地デビューを飾った選手たちも、より強いチームになっていく希望を与えてくれた。例えば、中盤でダブルボランチを組んだベンジャミン・スタンブリとナビル・ベンタレブは競り合いで強さを見せ、手加減なしに任務を遂行。スペースを埋めると同時にどんなチャンスも見逃さず、前線の攻撃にスピードを与えていた。

スピードと言えば左サイドバックのアブドゥルラーマン・ババもサイド攻撃に新しい風を吹き込んだ。マッチアップの相手がトーマス・ミュラーだったにもかかわらず、前へ前へプレッシャーをかけていたことがそれを物語る。右サイドアタッカーのイェフヘン・コノプリャーンカも得意のドリブルで攻撃にスピードをもたらし、チームのレベルを引き上げた。ゆったりとしたビルトアップ、物足りないサイド攻撃は、ワインツィアル監督の下で過去の産物となりつつあるのだ。

スタートダッシュ失敗も冷静さは失わず

才能を高く買われているブレール・エンボロには、まだ連係面で足りないところがあるが、ナルドは開幕節よりも各段に守備が安定しただけでなく、バイエルン戦では攻撃を活気づけるプレーも見せた。

ナウドとセンターバックを組んだマティヤ・ナスタシッチも、失点の場面を除けば圧倒的な守備が光っていた。負傷から1年以上のブランクを乗り越えて公式戦復帰を飾った彼もまた、新戦力の一人として数えていいだろう。

バイエルン戦前、シャルケが全選手そろって練習を行えたのはたったの3日。これは裏を返せばチームの連係や慣れという点でまだまだ向上の余地があることを意味する。サポーターが開幕2連敗という結果をそれほど気にしていないのも、恐らくはこれが理由の一つだろう。