ケールは現役時代の2012年に国内2冠を達成。ドルトムントの主将としてトロフィーを掲げた - © © gettyimages
ケールは現役時代の2012年に国内2冠を達成。ドルトムントの主将としてトロフィーを掲げた - © © gettyimages

ケール「オーバ、ロイス、デンベレがやってくれるはず」

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ドルトムントは2012年、クラブ史上初となるブンデスリーガ制覇とドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)優勝の国内2冠を達成した。そして、当時のキャプテンとしてトロフィーを受け取ったのが、2年前に現役を退いたセバスティアン・ケールだ。今もクラブと強い絆で結ばれているケールが、2012年の決勝の思い出、そして5年ぶりの大会制覇を目指す現チームについて語った。

ベルリンでの決勝はすっかりホームゲームになっている

——2012年5月12日のDFB杯決勝、バイエルン・ミュンヘンを5ー2で下してトロフィーを手にした時の気分はどうでしたか?

ケール ものすごく素晴らしい気分だった。言いようのない感情が沸いてきたよ。決勝で見事なパフォーマンスを見せられただけでなく、あの時はシーズンを通して圧倒的に強かったからね。クラブ史上初の2冠達成は、いつまでも色褪せない歴史として残ると思うよ。実はポカールを受け取った時のこと、マイスターシャーレとポカールを手にスタンドへ向かった時のことをはっきりと覚えていないんだ。でも、大きな喜びに満ちていたし、本当に言葉にできないような気分だったよ。

——決勝の舞台となるベルリンの特別な魅力については選手たちは口々に語ります。

ケール 誰もが決勝の舞台を目指してやっているし、リーグ戦が終わって他のチームが休みに入っている中でタイトルを争えるのは、このDFB杯と欧州チャンピオンズリーグ(CL)、欧州リーグ(EL)だけだからね。決戦を前に喜びも緊張感も徐々に高まるんだ。特にドルトムントは決勝となると街全体が燃えて、選手たちもその雰囲気に乗せられる。この数年はサポーターが万単位でベルリンへ押し寄せて、黄色と黒のクラブカラーで埋め尽くしてくれている。首都ベルリンでの決勝はすっかりホームゲームになっているよ。

——ドルトムントは4年連続で決勝進出を果たしましたが、過去3年はいずれも敗れています。チームにとってトラウマのようになっているのでしょうか?

ケール そうは思いたくないけどね。決勝というのは必ずしも勝者にふさわしいほうが勝つとは限らないんだ。もちろん3年連続で敗れているのは残念なことだし、誰もがやるせない気持ちを抱えているはずだ。でも、今年はドルトムントが勝つ可能性が高いと思うんだ。選手たちはポカールを持って帰るために集中している。チームにはベルリンでの苦い経験を味わってない選手もいるし、ネガティブなことは考えていないはずさ。

——リーグ戦ではバイエルンの独走を許しました。その原因はどこにあったと思いますか?

ケール チームの調子に波があったことが挙げられる。CLでは好成績を残したけど、リーグ戦では不要な取りこぼしを繰り返してしまった。攻撃陣は強力で得点力も高いが、その分失点も多かった。シーズン40失点、6敗というのはちょっと多すぎる。これではリーグ王者にはなれない。でも、チームはこの経験から学んでくれるはずだ。それだけのポテンシャルは持っている。バイエルンを本気で脅かすにはシーズンを通して圧倒的なパフォーマンスが必要で、今季はいろいろな事情があってそれができなかった。

——守備の話が出ましたが、ブレーメンとの最終節は4ー3という撃ち合いでした。アイントラハト・フランクフルトとの決勝でも守備に関しては不安が残りますか?

ケール ブレーメン戦はクラブにとってハッピーエンドだったし、観客を存分に楽しませる試合だった。攻撃力は申し分なかったね。でも守備に課題があることも浮き彫りになった。攻守の切り替えの遅さが相手のチャンスにつながってしまっている。フランクフルトとの決勝はここが重要になってくると思う。

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