第4節からブレーメンを率いたヌーリは、最下位だったチームを8位まで押し上げた - © © imago / Nordphoto
第4節からブレーメンを率いたヌーリは、最下位だったチームを8位まで押し上げた - © © imago / Nordphoto

ブレーメンを復活へ導いたヌーリ監督

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昨年9月にアレクサンダー・ヌーリがブレーメンの監督を引き受けた時、チームは開幕3連敗で最下位に沈んでいた。しかし、就任2戦目でシーズン初勝利をもたらした37歳の若き指揮官は、瞬く間にチームを立て直し、戦いのステージを残留争いから欧州リーグ(EL)出場権争いへと引き上げた。最終順位は8位とわずかにELには届かなかったが、シーズン終盤には一時6位まで浮上。文字どおりのV字回復を果たし、来季に向けて大きな楽しみを残してくれた。

暫定監督から救世主に

Uー23チームからトップチームの監督に昇格した当初、ヌーリは“暫定監督”という位置づけでしかなかった。だが、クラブが経験の浅い指揮官に白羽の矢を立てたのは、もちろん彼の資質を見込んでいたからこそ。フランク・バウマンSDは就任会見の席で、「彼がいつまで指揮を執るかは彼次第」と話した。

指揮官交代を機にチームは着実に成長を続け、ヌーリの“暫定”という肩書きはすぐに取り払われることになった。では、彼はブレーメンの何を変えたのか? 就任後すぐに着手したのがトップチームの“スリム化”である。また、アスレティックトレーナーとしてのキャリアを持つヌーリは選手のコンディションを最重要視。クラウディオ・ピサロとマックス・クルーゼの戦線離脱中に、セカンドチームから屈強なウスマン・マネーを抜擢したのは、そうしたコンセプトの表れでもある。

ヌーリの手法は見事にハマり、ブレーメンはウィンターブレークまでの13試合で勝ち点16を獲得。どこが相手でも対等に戦えるチームになっていた。最終ラインを4バックから3バックに変更して臨んだ後半戦はドルトムント、バイエルン・ミュンヘンといった格上との対戦が続いて年明けに4連敗を喫したが、チームは敗戦の中で着実に手応えをつかんでいた。そして第21節から31節までの11試合を9勝2分けで駆け抜け、一気にEL出場圏内の6位まで順位を上げたのである。

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