Summary

・今季ドルトムントでは多くの若手が台頭

・第6節のレーバークーゼン戦では10代のデンベレとプリシッチがそろって先発した

・昨季ブレイクしたワイグルは今季もレギュラーとして活躍中

今季のドルトムントは両極端な姿を見せている。4試合で16得点とまるで流れ作業のように大量得点を挙げたかと思えば、0-2で敗れた第6節のレーバークーゼン戦のように全くゴールを奪えなかったりもする。今季初黒星を喫した第2節のライプツィヒ戦も0-1と攻撃陣が沈黙した。

若い選手が多いドルトムントは、激しくプレスをかけてくる相手に苦戦。特にレーバークーゼン戦では、クリスチャン・プリシッチ、ユリアン・ワイクル、ウスマン・デンベレ、エムレ・モルら若い選手たちが高い授業料を払う結果となった。しかし、こうした過程は若手を育てていく上ではごく当たり前のこと。それはトーマス・トゥヘル監督も計算済みだろう。それにレーバークーゼン戦では過密日程の影響もあって、普段どおりのプレーをできた選手は皆無に等しかった。若武者にとって大事なのは失敗から学び、より強くなっていくことだ。

すでに実力は証明済みのタレント集団

トゥヘル監督はレーバークーゼンとの大事な一戦で評論家も驚くようなメンバーをピッチに送り出し、勇気のあるところを見せた。キャプテンのマーセル・シュメルツァーを筆頭に、マリオ・ゲッツェ、香川真司、ヌリ・シャヒンといった完成度の高いスター選手をベンチに置き、19歳のデンベレと18歳のプリシッチというティーンエージャーコンビを起用。中盤の底には21歳のバイグルを置き、後半には19歳のモルも投入した。

ただし、彼らはすでに今季のブンデスリーガで実力を証明してきた選手たちであり、バイグル以外はすでにゴールも挙げている。指揮官にとってはそれほど大きなリスクではなかったのかもしれない。特にデンベレは今季公式戦で6つのスコアポイントを稼ぎ、ドリブル回数はブンデスリーガ最多。そのうち半数で突破に成功している。

プリシッチは今季のリーグ戦全出場選手の中で最年少だが、昨季を含む最近のリーグ戦7試合で3ゴール2アシストを記録している。すでに経験十分のバイクルは、昨季のパス非成功率がわずか8%とチームで最も優秀な数字を記録。今季は新たにゼバスティアン・ローデがチームに加わったが、レギュラーの座をがっちり守っている。

2つの黒星から見えてくるもの

レーバークーゼン戦の敗因は特定の選手にあるのではなく、ましてや若手に責任があるわけではない。チーム全体が機能していなかったのだ。ゴンザロ・カストロは試合後、「ビルトアップの局面で普通なら起きないようなミスがたくさんあった。でも相手の対策も見事だった。今後はもっとうまくやっていけるように、この試合から学んでいかないと」と、相手のほうが一枚上手だったことを認めている。

「ライプツィヒとレーバークーゼンのシステムはよく似ている。どちらもかなり攻撃的に守るチームだ。試合の中で揺さぶってくるから、いつも苦戦を強いられる」。そう話すカストロの言葉から、第2節で黒星を喫したライプツィヒ戦との共通点が浮かび上がる。

首位バイエルン・ミュンヘンがホームでケルンと引き分ける中、ドルトムントは勝ち点差を詰めることができず、その差は4に広がった。シュメルツァーは試合後、「バイエルンが勝ち点を落としたのだから、当然その差を詰めておきたかった」と悔やんだが、「でもまだシーズンは長い。ウチは新しい選手も多く、時間が必要だ」と冷静にチーム状況を見つめている。

ドルトムントは先日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)で昨季王者のレアル・マドリード相手に二度も追いついてその実力を証明した。今後、ブンデスリーガで求められるのは、あの試合で見せた“しぶとさ”だ。代表ウィーク明けの10月14日に行われる第7節、ドルトムントはホームに好調ヘルタ・ベルリンを迎える。大方の予想を覆して2位につけるサプライズチームとの一戦は、今後に向けての試金石となりそうだ。