Summary

  • ドルトムントとバイエルンの“デア・クラシカー”が11月19日に開催
  • 両チームの選手・監督が手にしたタイトルは数知れず
  • タイトルの味を知り尽くした両者による頂上決戦

インターナショナルマッチウィークが終わり、世界各地で国内タイトルを争う戦いが再開。ドイツではドルトムントバイエルン・ミュンヘンによる“デア・クラシカー”が行われる。

ドイツで最大の熱気を呼ぶこの一戦は、国内外で数々のタイトルを獲得してきた2チームによる争いでもある。それは両チームの選手と監督が手にしてきたタイトルの数が物語っている。2チームの選手・監督が国内リーグで頂点に立った回数はのべ120回、カップ戦優勝回数は79回(スーパーカップとリーグカップを除く)を数える。また、国際舞台でも欧州チャンピオンズリーグ(CL)制覇がのべ15回。代表ではワールドカップ(W杯)優勝が12回、欧州選手権(EURO)優勝が5回ときらびやかな数字が並ぶ。

近年は“名将”という言葉が使われる時、そのハードルはかなり低くなってきているが、カルロ・アンチェロッティは真の“名将”と呼ぶにふさわしい指揮官の一人だろう。今季からバイエルンを率いる彼は、指導者キャリアの中で17回、選手としても14回トロフィーを手にし、ビッグイヤーを通算5回も掲げている。これはドイツ出身の選手や監督が誰一人として成し得ていない偉業だ。

しかし、そんなアンチェロッティも教え子たちに敵わないものが2つある。ブンデスリーガの優勝回数と代表でのタイトルだ。バイエルンではフィリップ・ラーム、マヌエル・ノイアー、トーマス・ミュラー、ジェローム・ボアテング、マッツ・フメルスの5人が2014年のW杯で頂点に立ち、ブンデスリーガでも何度となく優勝を経験。さらに、シャビ・アロンソとハビエル・マルティネスはスペイン代表でW杯とEUROの両タイトルを獲得している。

そんな中、最も多くの栄冠を手にしているのは、意外にも前述したドイツやスペインの選手ではなく、オランダ代表のアリエン・ロッベンだ。彼がこれまでに獲得したタイトルの数はラームの21をしのぐ22。もっとも、アンチェロッティが指揮官として手にした31のタイトルには遠く及ばない。

獲得タイトルの総数でドルトムントがバイエルンのそれに及ばないのは当然のことかもしれない。例えば、バイエルンの選手のリーグ優勝回数がのべ87回なのに対し、ドルトムントは33回。国内カップ戦の優勝回数もバイエルンはのべ63回と、16回のドルトムントの4倍近い。

しかし、ドルトムントの面々も数々の栄冠を手にしてきた。マーク・バルトラは通算13個のタイトルを獲得しており、その中にはバルセロナ時代の2度のビッグイヤーも含まれる。バルトラに次ぐ12個のタイトルを手にしているのがマリオ・ゲッツェ。ドルトムントでブンデスリーガを2度制した後、バイエルンでも3度のリーグ優勝を果たしている。ドイツ代表ではチームメートのローマン・バイデンフェラー、マティアス・ギンター、エリック・ドゥルム、アンドレ・シュアレとともにW杯王者にも輝いた。ドルトムントはこの夏、EUROを制したポルトガル代表のラファエロ・ゲレイロを獲得。また一人、ビッグタイトルを知るプレーヤーが増えている。

チームでの獲得タイトルと並び、両チームの選手は個人タイトルや個人表彰といった数々の栄誉も手にしている。ドイツのユース世代(U-17、U-18、U-19)で活躍した若手に贈られる「フリッツ・バルター・メダル」の金メダルは、2009年と2010年にゲッツェが、2012年と2013年にはマティアス・ギンターが、昨年はフェリックス・パスラックが受賞している。

ブンデスリーガ最優秀選手を始め、各国で表彰される年間最優秀選手やスポーツマン・オブ・ザ・イヤーといった栄えある賞を与えられた選手も多い。バイエルンではロベルト・レバンドフスキ、ダビド・アラバ、フランク・リベリ、ロッベン、ノイアー、ボアテングが、ドルトムントではマーコ・ロイス、ヌリ・シャヒン、ピエールエメリック・オバメヤンと枚挙にいとまない。そして、得点王のタイトルはブンデスリーガでレバンドフスキが、W杯でミュラーが獲得している。

両チームに共通するのは、ほとんどの選手がキャリアの中ですでにビッグタイトルを手にしているということ。トロフィーの重さを知っている彼らは、それが激しい競争を勝ち抜かなければ決して手に入らないものだということを身をもって経験している。すべてを知る選手たちが繰り広げるプライドを懸けた死闘。我々が“デア・クラシカー”に期待するのは、そんな一戦だろう。