4年に一度の欧州選手権(EURO)が6月10日〜7月10日、フランスで開催される。そこで当サイトではEUROに出場するブンデスリーガの選手たちを紹介していく。第11回は今大会が初招集となったヨシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)。

若手をサプライズ招集

2014年、ドイツ代表はブラジルW杯で優勝した。大会終了後、キャプテンのフィリップ・ラーム、ペア・メルテザッカー、ミロスラフ・クローゼといずれも100試合以上に出場したベテラン選手が代表引退を表明。それにより、世代交代が進むかと思われたが、過去2年に招集されたメンバーの顔ぶれはそれほど変わらなかった。しかし、ヨアヒム・レーフ監督はEUROの暫定メンバーとして、4人の若者をサプライズ招集。このうち、シャルケのレロイ・サネは昨年11月の親善試合でA代表デビューを飾っていたが、キミッヒとユリアン・ワイグル(ドルトムント)、ユリアン・ブラント(レーバークーゼン)はA代表初招集だった。ブラントは最終メンバーからは外れたが、サネとキミッヒ、ワイグルは本大会出場が決定。大舞台を肌で感じて経験を積むのか、チャンスをつかみ取るのか、それは各々次第だが、この中から将来のドイツ代表を担う選手が出てくることは間違いないだろう。彼らはそれほど才能にあふれ、“何かをやってくれそうな”な選手たちである。

絶賛の声

「この若者が大好きだ! 彼は全てを持っている。彼は全てができる。彼は全てを出す。信じられない。本当に信じられない。この選手とであれば、行きたい場所にどこへでも行ける」(ジョゼップ・グアルディオラ監督)

「ヨシュアは全てのプレーができる」(ジェローム・ボアテング)

「彼は勇気があり、不安になることがなく、良いパフォーマンスを見せた」(マヌエル・ノイアー)

「彼に100%の信頼を寄せている。彼にはいつも良い感触を感じている」(ヨアヒム・レーフ監督)

2人の名監督と2人のW杯王者の言葉を引用すれば、キミッヒが卓越した選手であることはお分かりいただけるだろう。特に、グアルディオラ監督は、「自分の息子同然に思っている」と言うほど、キミッヒを溺愛している。

キミッヒは1995年2月8日、ドイツ南西部のロットワイルで生まれた。育成に定評のあるシュトゥットガルトに12歳で加入し、2013/14シーズン、シュトゥットガルトU-19から当時3部のライプツィヒに期限付きで移籍。翌シーズンは2部に昇格した同クラブで主力として活躍した。早くからその才能に目を付けていたバイエルンは2015年1月、翌シーズンからのキミッヒ獲得を発表。今季、スター集団バイエルンの一員となったキミッヒはリーグ23試合、欧州チャンピオンズリーグ(CL)9試合に出場し、ブンデスリーガとドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)で優勝を経験した。

解決策はキミッヒ

キミッヒは守備的MFの選手だが、グアルディオラ監督は彼にさまざまなポジションでプレーさせた。それは、経験を積ませたり、可能性やオプションを見つけるという意味合いもあったはずだが、チーム事情も大きく影響していた。今季後半戦、ボアテングらCBの全4選手が負傷離脱。この緊急事態に、グアルディオラ監督はドルトムントの「デア・クラシカー」やユベントスとのCLラウンド16という大一番でキミッヒをCBに起用。ドルトムントと0-0の引き分けに終わった後、グアルディオラ監督がキミッヒに激しい剣幕で怒鳴り込む場面があったが、実際には「ヨシュア・キミッヒは素晴らしい能力を見せてくれた。彼には大きな拍手を送りたい」と話している。キミッヒ自身は「シーズン前にはまさかCBの4選手が負傷して、それが自分のチャンスにつながるなんて誰も思ってなかった」と振り返るが、グアルディオラ監督はキミッヒが問題(CB不足)の解決策になることを知っていたし、レーフ監督にとってもそれは同じような効き目をもたらすだろう。

キミッヒが今季を振り返ったインタビューへ(5月26日掲載)