ブンデスリーガ第12節の11月8日(日)、香川真司の所属するドルトムントと内田篤人の所属するシャルケが激突する。ルール地方に本拠地を置く両クラブの対戦は「ルールダービー」と呼ばれ、ドイツで最も白熱する一戦だ。

87回目の対戦

1963年のブンデスリーガ創設以来、これまで86試合が行われ、その対戦成績はドルトムント31勝、シャルケ30勝、引き分け25回で、ドルトムントが一歩リード。昨シーズンの2戦では、ホームチームがそれぞれ勝ち名乗りを上げた。

対抗意識の芽生え

ダービーの発端は1947年5月18日、当時地域リーグで圧倒的な強さを誇っていたシャルケを格下のドルトムントが下し、リーグ優勝を決めたことだと言われている。ここで初めて両クラブ間に対抗意識が芽生え、現在までに数々のドラマを生み出してきた。1969年には前半戦の試合で観衆がピッチに入り込み、負傷者を出す暴動に発展。これを受け、後半戦の試合では過激なファンを威嚇する目的で近隣の動物園からライオンを借り出し、キックオフ前にピッチ中央を歩かせたという逸話もあるほどだ。

サポーターたちの敵対心

両クラブ間のいがみ合いはピッチ内にとどまらない。2006年にシャルケファンがドルトムントの本拠地ジグナル・イドゥナ・パークから60mのバナーを盗み出したことに対し、ドルトムントファンは4年後にシャルケのフェルティンズ・アレーナの屋根に黄色と黒の旗を立てて報復。さらに2011年にはシャルケファンが再びジグナル・イドゥナ・パークにシャルケのチームフラッグを2本立てるなど、どちらも徹底抗戦の姿勢を貫いている。

両チームのサポーターは常に一発触発の状況にあり、ルールダービー当日はスタジアムまでのルートも完全に隔離されている。また、対戦相手が異なる日であっても、例えばスタジアム帰りの混雑で不満が募ったときなど、誰からともなく相手チームを罵る歌が聞こえてくる。

 

得点者は英雄

ドルトムント戦でクラブ史上最も多くのゴール(16ゴール)を奪った元シャルケの故エルンスト・クツォラ氏は『エルンスト・クツォラ道』、そしてシャルケ戦のクラブ史上最多得点記録(11ゴール)を持つ元ドルトムントの故ローター・エメリッヒ氏は『ローター・エメリッヒ通り』といったように、クラブ施設付近の道にその名が冠されている。ダービーで活躍した選手はクラブの“伝説”となる資格を有するのだ。

香川と内田

香川はドルトムントに加入した1年目、シャルケ戦(第4節)で先制点を含む2得点を挙げて3-1の勝利に貢献し、ドルトムントサポーターの心を一気につかんだ。昨シーズンは香川の復帰により、ルールダービーでの日本人対決が3シーズンぶりに実現。第6節(9月27日)ではホームのシャルケが2-1で勝利を収めた。試合後にインタビューに応じた内田は、ライバルチームの盟友・香川について尋ねられると、言葉を選んでいるのが印象的だった。同選手についてポジティブな発言をするときには、「ドルトムントの選手ですけど・・・」と必ず前置きをしたのだ。シャルケに加入したときから「黄色と黒のスパイクは履くな」と“教育”されている内田はルールダービーを「他のチームとは違う特別な試合」と話している。