内田篤人が所属するシャルケについて紹介する。

(1)炭鉱の町

シャルケが拠点を置くゲルゼンキルヘンは、19世紀中頃まで数百人程度が住む小さな町だった。しかしその後、大量の石炭が地下に眠っていることが発見され、多くの労働者がこの炭鉱の町に移住。FCシャルケは1904年、そんな彼らによって創設された。キックオフ前には、石炭を掘る仕事に汗を流す作業員の写真が大型スクリーンに映し出され、またロッカールームからピッチへつながる通路も、まるでそこが本物の炭鉱であるかのような錯覚に陥るほど見事に再現されている。ちなみにシャルケの合言葉「Glück auf(グリュック アウフ)」も、彼ら炭鉱労働者の掛け声。「(地上に戻ってこられるよう)幸運を祈る」という意味である。

(2)テンニース会長

クレメンス・テンニース会長は、兄ベアントとともに精肉会社「テンニース食品」を巨大化させ、一代で財を成した人物である。現在の同社は、従業員約8000人を抱え、年間売上は約6300億円。ベアントも元シャルケの会長だったが94年に死去し、弟クレメンスが兄の意思をついで2001年から現職に就いている。2015年10月現在で同会長は、全世界の富豪トップ1000に入っており、ドイツ国内でも63番目に資産が多い。

(3)スポーツディレクター

現場の全権を掌握していたフェリックス・マガト元監督が去った後にホルスト・ヘルト氏がスポーツディレクターに就任。3シーズン連続で欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得するなど、結果を残した。しかし直近の2シーズンはCLへの切符を逃し、また補強策にはファンをはじめクラブ内からも疑問の声が上がっていたこともあり、首脳陣はヘルト氏との決別を選択。2016/17シーズンからは、一地方クラブにすぎなかったマインツをブンデスリーガ中堅にのしあげたクリスティアン・ハイデル氏を招へいしている。敏腕SDは今後シャルケにどのような化学変化を起こしていくのだろうか。

(4)ビール専用パイプ

本拠地のネーミングライツを購入したフェルティンス社は、ルール地域に本社を置くビール会社。そのためフェルティンス・アレーナの地下には、全長5km以上のビール専用パイプが張りめぐらされており、スタジアム内の各販売所に新鮮なビールをお届けしている。

(5)公開練習

シャルケの練習は、戦術トレーニングを集中的に行う試合前日を除き、原則的にいつもファンへ公開されている。夏休みともなれば練習場は家族連れで大いににぎわい、1000人単位でファンが声援を送るほどだ。一昨季に指揮を執っていたロベルト・ディマッテオ監督はイングランド式を導入し、原則非公開にしたため、ファンからの不満が続出。「良い成績を出すからファンのみんなにはなんとか我慢してほしい」とテンニース会長がわざわざ声明を発表したもののチームは低迷し、ディマッテオ監督は約半年で解任されてしまった。