今夏、香川真司が所属するドルトムントに加わったマリオ・ゲッツェとアンドレ・シュアレは、同クラブで屈指の人気を誇るマーコ・ロイスと、公私ともに仲が良いことで知られており、3人のドイツ代表選手がおりなすコンビネーションは、ドルトムントのファンが今シーズン最も期待するところである。しかし、ロイスとゲッツェは2012/13シーズンのドルトムントでチームメートだったものの、シュアレが彼らと一緒に戦ったのはドイツ代表での活動のみ。したがって3選手が、ドルトムントの誇る攻撃トリオとして名を馳せるようになるには、まだ一定の時間を要するかもしれない。

シュアレが必要とするもの:トゥヘル効果

2006年、15才の時にU-17マインツへ移籍したシュアレは、その2年後にトーマス・トゥヘル監督が指揮を執っていた同クラブのトップチームでプロデビューを果たした。その後、レーバークーゼン、チェルシー(イングランド)、ウォルフスブルクと所属クラブを変えたシュアレだったが、プレミアリーグ在籍はわずか1年半。ウォルフスブルクでは、昨季リーグ後半戦こそロベルト・レバンドフスキ、クラウディオ・ピサロ、サンドロ・ワーグナーに次ぐ9得点を決める活躍を見せたものの、トップフォームを取り戻すまで1年を要している。ただし、戦術に細かく、頻繁にフォーメーションを変更するトゥヘル監督のサッカーは、マインツ所属時代に経験済み。恩師の意向をくみ取り、どれだけ素早く適応できるかが、ドルトムントでレギュラーを勝ち取る鍵となりそうだ。

ゲッツェが必要とするもの:周囲のバックアップ

2013年夏、ライバルであるバイエルン・ミュンヘンへ“禁断の移籍”をしたゲッツェ。育成年代からドルトムントに所属し、「100年に1人の逸材」と呼ばれ10番も背負っていただけに、彼に対するファンの愛は、またたく間に憎悪へと変わってしまった。そのため、今回ドルトムントへの復帰が決まった際にも、ファンの間ではこれを喜ぶ者と忌み嫌う者の2つにはっきりと分かれている。しかし今、ゲッツェは「僕の復帰を喜んでいない人も含め、すべての人に自分の能力を証明したい。クラブのため、ドルトムントファン全員のために、自分のベストを出すことが僕の目標だ」と公式にコメントしており、またトゥヘル監督も「ゲッツェはこの雰囲気、この家族のようなクラブに戻ってきたかったんだ」と、ファンに理解を求めている。バイエルンでは思うように出場機会を得られなかったが、本来の能力は申し分ないだけに、チームメート、指導者陣、クラブ関係者、そしてファンのサポートがあれば、必ずや以前の輝きを取り戻してくれるはずだ。

ロイスが必要とするもの:フィットネス

恥骨炎のため欧州選手権(ユーロ)2016出場を断念したロイスは、現在もリハビリを行っており、8月27日の開幕戦に間に合うかどうかは依然として不透明なままだ。直近の3シーズンで、ロイスが10日以上離脱したのは今回が9回目と、その頻度はかなり高く、「いかに負傷を防ぐか」が同選手の最大のテーマでもある。持てる力を最大限発揮するためにも、まずは地道にリハビリを行い、けがをしにくい体を作ってほしい。