それは昨季のブンデスリーガ第2節(8月22日)で起こった。世界一のGKマヌエル・ノイアーが守るバイエルン・ミュンヘンから試合開始わずか9秒でゴールを奪った男——。それが今夏、ホッフェンハイムからレーバークーゼンへ移籍したケビン・フォラント(24)だ。当サイトドイツ語版は同選手のインタビューを行い、移籍までの過程や新チームについて話を聞いた。

——フォラント選手のような一流のサッカー選手であれば、多くの選択肢があったと思います。なぜ、その中からレーバークーゼンを選ばれたのでしょうか?

フォラント それはとても長いプロセスでした。昨年からレーバークーゼンのルディ・フェラーSDやヨナス・ボルト氏(マネジャー)、もちろんロガー・シュミット監督とも話し合いを行ってきました。だから、このクラブに来て最初の1秒から、居心地よく感じることができました。それに自分のさらなる成長のために、レーバークーゼンは理想的なクラブです。素晴らしい監督とチームメイトに囲まれ、最高の気分です。プレーのスタイルも自分に合っています。というのも、ホッフェンハイムと似ていますから。それでも、毎日何かを学んでいますし、新しいこと全てを吸収しようとしています。だから、この準備期間と合宿は自分にとって非常に価値があります。

——ホッフェンハイムにも良い選手はいました。それでも、チチャリートを見ると、さらに上のレベルだと感じますか?

フォラント その通りです。チチャ(リート)にしろ、カリム・ベララビにしろ、チーム全体としてもそうです。各ポジションで並外れたクオリティーを持っています。欧州チャンピオンズリーグ(CL)に長く残るシーズンにしたいので、それは必要とされることでもあります。CLですでに経験があり、高いクオテリティーのある選手がいるのは安心ですし、大きなアドバンテージでもありますね。

——フォラント選手はクラブにとって今夏の補強の目玉であった一方、全くスターを気取っていませんね。チームに合流した直後、どのように振る舞いましたか?

フォラント 過去のあらゆる成果をひけらかして自己紹介するなんて、何の意味もないことです。それは僕のやり方ではないですし、今後もそういうことはないでしょう。自分はいつも、そのままの自分でいることを心掛けています。それで今までうまくいってきました。ドイツ代表でのチームメイトなど多くの選手をすでに知っていたので、ここで慣れるのにだいぶ助けになりました。本当に歓迎して迎えられたと感じています。移籍の場合、それが常ではないのですが・・・。

——最初に誰と仲良くなろうとしましたか?

フォラント 何人かと交流していますよ。例えば先ほど、キース(シュテファン・キースリング)が家探しのアドバイスをくれました。質問があったり、ヘルプが必要なときはカリムやラース・ベンダーがいつも助けてくれます。

開始9秒でゴールを決めた選手が2人

——カリム・ベララビ選手と言えば、フォラント選手の方が0.3秒、上回っていますよね・・・。

フォラント ブンデスリーガ最速ゴール記録のことですね。

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——この記録はフォラント選手にとって、どのような意味があるのでしょうか?

フォラント それほど大きな意味はありません。あの日、何が一番うれしかったかというと、バイエルンからゴールを奪ったことです。それは特別なことなんです。ただ、それが試合開始9秒にしろ、ロスタイムにしろ、例えばケルン戦でも同じことが言えるように、自分にとってうれしさは同じです。もちろん、あのバイエルン戦でのゴールがブンデスリーガの歴史に刻まれたことは知っています。それでも毎日、「やった!僕がブンデスリーガの最速ゴール記録保持者だ」とは考えません。

——レーバークーゼンの強化試合でもすでにゴールを挙げています。

フォラント ゴールを決めて、圧勝するのは、いつでもうれしいことです。でも、ここまでのプレシーズンではブンデスリーガやCLに出場するクラブのようなチームと試合をしているわけではありません。それでも、これらのテストマッチから学ぶことも多いです。例えば、コンビネーションとか走る方向とか。

「スター選手一人ができることよりも多くのことを達成できる」

——フォラント選手はゴールを量産するFWですが、チームプレーヤーでもあります。それは少し、矛盾に聞こえますが・・・。

フォラント そうでしょうね。もちろん、自分が得点を挙げることができるのはうれしいです。でも、自分がゴールやアシストをするのか、チームメイトがそれをするかは、僕にとって重要ではありません。僕にとっての最優先事項はチームのために良いプレーをすること。チームが全てにおいて上にあり、勝つことが一番です。チームが良いパフォーマンスをすることにより、スター選手一人ができることよりも多くのことを達成できます。今まで常にそうでしたし、これからもそうです。

——レーバークーゼンは昨季、バイエルンとドルトムントに次ぎ3位でした。すでに強いわけですが、さらに上を目指しますか?

フォラント 重要なのはまず、良いスタートを切り、すぐにネガティブな結果をもたらさないことです。そうできれば、チームにはクオリティーがあるので、多くのことが可能になると思います。昨季はドルトムントとの勝ち点差が離れていましたが、今季はそれを縮めたいです。そのためには安定したシーズンを送り、可能な限り、何度か連勝をしたいですね。

——好スタートを切るため、レーバークーゼンは第2次合宿を行っています。フォラント選手はギターを持って行きますか?

フォラント いや、いや、いや! とんでもない(笑) 僕がギターを弾いてるって記事を読んだんでしょう?

——ケビン・フォラントは夜のキャンプファイアでトルバドゥール(叙情詩人)にならないのですか?

フォラント 絶対になりませんよ(笑) 2年半前に、自由時間の趣味を考えたんです。それで、例えばゴルフよりもギターが合っていた。でも、家で一人で自分の好きな歌を弾いているだけですよ。まだまだ上達の余地はありますが、いつかは公の場で披露できるかもしれませんね。恥をさらさなければ・・・。いや、きっとやらないと思います・・・。