7シーズンにわたって指揮を執ったユルゲン・クロップ氏が去り、変革を求められた香川真司のドルトムント。しかし今シーズン開幕前にやってきたトーマス・トゥヘル新監督は、見事に短期間でチームを自分色に染め、2015/16シーズン前半戦を2位で終えることに成功した。そんな同監督が冬季キャンプの地ドバイ(UAE)で当サイトのインタビューに応じ、前半戦のこと、オフの過ごし方、後半戦の目標などについて語っている。

ーートゥヘル監督、就任から半年が経過しました。この期間をどのように結論づけますか?

トゥヘル監督 非常に多くの試合をこなしたね。シーズン序盤から遠征、キャンプなども濃縮されていた。しかし、結論づけるのはあまり好きではない。私はあまり後ろを振り返らず、常に前を向いていたい人間だからね。過去を見て立ち止まっていても仕方がない。ただ、クラブ首脳陣が私を招き入れてくれたことには本当に感謝している。彼らは私の意向に沿って物事を進めてくれ、信頼してくれていた。この先、何が起こるかは予知できないし、未来をコントロールすることはできない。しかし「これから起こることに対して準備をする」というふうに自らをコントロールすることはできる。毎日のトレーニングに重きを置くのはそのためなんだ。

ーーサッカーの世界では、運も大きな役目を果たしているとお考えですか?

トゥヘル監督 もちろんだ。残念ながら運はサッカー界で大きな要因となっており、試合に刺激を与えるものの1つになっている。運は、試合の結果において重要な役目を担っているんだ。運が我々に良い影響をもたらしてくれるよう、我々は集中して戦い、すべてを出し切る必要がある。

ーー冬のオフ期間にはどうやって自分のスイッチを切っていましたか?

トゥヘル監督 仕事中はどんな時でもサッカーのことを考えている。いろんなことを考えたり観察したりするのは好きだからね。それにいつでも学んでいきたいんだ。その一方で、この冬のオフではサッカーを忘れることもできた。最近はスイッチを切る方法も覚えたし、オフを楽しんでパワーを充電することもできるようになったよ。おかげで休暇中は家族と過ごす時間だけに集中できた。もちろんサッカーというものに対して私は大きな情熱を持ち、大きな愛を抱いている。しかしサッカーが私の心を独り占めすることはない。だから休暇を満喫することができる。

ーードルトムントの監督として8月にブンデスリーガデビューを果たした際、どのような気分だったのでしょうか?

トゥヘル監督 マインツの監督として5回ドルトムントに来た時には、あまり違いはないなと思っていた。でもそれは私の勘違いだった。黄色いジャージを着てチームと一緒にスタジアムに来ると、周りはすべて黄色。エネルギーや緊張感を味わえる濃密な時間がそこにはあった。ピッチから5mしか離れていない最前列からスタジアムの最後尾まで、サポーターは素晴らしい応援をしてくれる。これは他と比較できるものではない。

ーー今後はどのようなサッカー哲学を追求していくのでしょう?

トゥヘル監督 選手が持つクオリティを強調できるようなサッカーをしていきたいね。そのために、選手が自分のベストを引き出せるよう、彼らを助けていきたい。就任してからかなり早い段階で、選手がポゼッションサッカーをすることに大きな願望を抱いていること、そしてそれに必要なクオリティを発展させていくことができると分かった。私にとって大事なのは、選手らが単に私のアイディアに従うのではなく、選手と一緒になって我々のクオリティを理解し、そしてそれを信頼することだ。これはチームに良い影響をもたらした。

ーードルトムントは前半戦だけで47ゴールを叩き出しました。どのように効率を上げたのですか?

トゥヘル監督 これは非常に素晴らしい数値だと思う。ブンデスリーガでゴールを奪うことがどんなに難しいか、私は分かっているからね。簡単に見えるものほど難しい。対戦相手は我々のゴールを防ごうといろいろなチャレンジをしてくるが、我々も高いレベルに到達している。しかし点を取るチャンスを待つこと、建設的な攻撃を仕掛けること、天性のものだけに頼らないことなど、謙虚さを忘れてはならない。

ーー後半戦開始にあたりどのような目標を持っていますか?

トゥヘル監督 我々にとってベストなのは、これからも戦い続け、毎日のトレーニングに重きを置くことだ。バイエルン・ミュンヘンはもう何年も前から、いつも自分たちを分析し、高いレベルに到達することを目指し、それを何度も繰り返している。もちろん彼らは我々よりも厚い選手層を持っているが、そこに届くには、我々は自分たちの最大限の力を出していかなければならない。私自身もどこに限界があるのか分かっていない。もし勝ち点の目標などを作ってしまえば、限界というものは勝手に作られてしまう。これからも“リミット”がどんどん先になっていくことを願っている。チームとしてまとまり、今進んでいる道をこのまま歩んでいき、そしてどんな抵抗にも負けないようなチームにならなければ。まだ我々にの前には多くの仕事が残っている。シーズン序盤と同じように後半戦も戦うことができれば、きっと次の夏には満足した気分でバケーションに行けるだろうね。