5月14日をもって2015/16シーズンのブンデスリーガもついに終焉を迎えた。そこで当サイトでは、この1年間における日本人選手の働きを振り返っていく。第3回目は、6位マインツに所属する武藤嘉紀。

(1)瞬く間にエースの座へ

ドイツメディアにも大きく注目され鳴り物入りで入団した武藤。その実力は早々に認められることとなった。今シーズン初公式戦のドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)1回戦、そしてブンデスリーガ開幕戦はベンチスタートとなったが、第2節メンヘングラートバッハ(ボルシアMG)戦では先発出場。この試合で2度の決定機を外すなど、マーティン・シュミット監督の期待には応えられなかったものの、その翌節ハノーファー戦では15分と29分にいきなりの2ゴールを決め、「Yoshinori Muto」という名前を周囲へ広く知らしめている。

(2)様々な記録

プロ生活3年にも満たず、初の海外挑戦、しかもそこはあくまで中堅クラブの1つに過ぎないマインツ。しかし上述の通り、リーグ3戦目で2得点を挙げ、ブンデスリーガ在籍日本人の歴代最速マルチゴールを達成すると、第11節のアウクスブルク戦では2006/07シーズンの高原直泰に続く日本人2人目となるハットトリックを成し遂げた。もちろんこれも日本人歴代最速であることは言うまでもない。さらに第11節終了時点での6ゴールも過去最多である。本人は第17節ヘルタ・ベルリン戦後「決めるところを決めきっていれば10ゴールは優に超えていたと思うので納得はしていません。チームを上位に上げるのもFWの役目だと思うので、しっかり自分が決めていかないといけないと思います」と、満足感を口にすることはなかったが、ドイツ1年目の若武者がシーズン前半戦で残した成績は7ゴール2アシスト。及第点以上の活躍だったのではないだろうか。

(3)負傷離脱

エースとしての風格を身にまとい、後半戦でさらなる飛躍を誓っていた武藤を待っていたのは、苦難の道のりだった。2月6日の第20節ハノーファー戦で右ひざ外側じん帯を断裂し、75分に途中交代。その後リハビリを重ね、4月上旬にはカムバックする予定で調整を続けていたが、3月末に再び同箇所の負傷を再発してしまう。これにより、武藤のブンデスリーガ1年目は終わりを告げてしまった。チームと相談した結果、同選手は慣れ親しんだ祖国での治療を決断している。

(4)来季へ向けて

鮮烈なデビューを果たした武藤が来たる2016/17シーズンで目指すのは、マインツの絶対的な存在になることだ。けがを負うまでのリーグ20試合、全てに出場している同選手であるが、そのうちフル出場はたったの5回しかない。その辺りは本人も理解しており、「自分が早めに点を取らないと、それ(途中交代)が続いてしまうと思うので、とにかくやり続けるしかないかなと思います。自分自身が活きてくるのは、相手の足が止まってくる最後の時間帯でもあるので、最後までプレーしたい気持ちはあります。でも、それができるようになるには、やっぱりゴールが必要」とコメントしている。シュミット監督のさらなる信頼を勝ち取り、先輩である岡崎慎司以上の結果を残してくれることを期待したい。

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