5月14日をもって2015/16シーズンのブンデスリーガは終了した。そこで当サイトでは、この1年間における日本人選手の働きを振り返っていく。第5回は、9位ケルンに所属する大迫勇也。

(1)シーズン1ゴールという現実

初のブンデスリーガ挑戦だった昨シーズンは、もがき苦しみながらも3得点を決め、ケルン所属2シーズン目となった今季はさらなる飛躍を誓っていた大迫。しかしチーム内における彼の立場が劇的に変化することはなかった。開幕シュトゥットガルト戦ではロスタイムにダメ押し弾をマークし、幸先の良いスタートを切ったかに思えたが、新加入FWアントニー・モデステが得点を量産しエースとしての地位を確立していく一方で、大迫は最前線でのプレー機会を時折得ながらも結果を残すことはできず、FWとしてピッチに立つ時間は少なくなっていった。そして今シーズンの最終的な記録は、昨季に劣る25試合出場1得点。不完全燃焼な1年間だった。

(2)複数ポジションでの起用

本人の願いが「FWでの試合出場」であったことは言うまでもない。しかしモデステという絶対的エースが存在するケルンにあって、大迫は右MF、トップ下、インサイドハーフなどさまざまなポジションでプレーせざるを得なかった。しかも大迫の戦術理解力は高く、指揮官の要求を忠実にこなすことができる。例えば今季初の公式戦となったSVメッペン戦。前半は右のインサイドハーフ、後半途中から右MFを務めた大迫は試合後、「みんながみんな前に行き過ぎていた。ああいう感じだと強い相手とやるときにやられるから。誰かがバランスを見て、動けるようにしないと」と話していた。攻守のバランスを考え、守備でもある程度の計算ができるという彼の器用さは、指揮官から見ればありがたいプレーヤーなのかもしれない。しかし皮肉にも、それが大迫のFWとしてのプレー時間を奪っていった。

(3)来季へ向けて

ケルンの戦力を考えれば、「10人で守り1人が前に残る」という守備的な戦術で試合に臨むことは避けられないのが現状だ。その中でFWとしての出場機会を得るためには、やはりゴールという結果で指揮官を納得させるしか術はない。「短い時間ではなかなか難しいところもありますけど、自分が出た時に、『こういうサッカーだけじゃない』っていうのを見せたいし、もっと流れるようなサッカー・・・もっと前で起点を作って、押し込んだりできるような試合をしたい」と話す大迫の、来季巻き返しに期待したい。

その他の日本人選手総括はこちら