5月14日をもって2015/16シーズンのブンデスリーガは終了した。そこで当サイトでは、この1年間における日本人選手の働きを振り返っていく。第6回は、10位ハンブルガーSVに所属する酒井高徳。

(1)ベンチに座る日々

3年半にわたってプレーしたシュトゥットガルトを去り、酒井は昨夏、北ドイツの雄ハンブルクへ移籍した。昨季終盤は出番が得られず、かつての恩師ブルーノ・ラバディア監督の下、再起を誓っていたが、今シーズン初の公式戦となったドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)1回戦のイェナ戦で低調なパフォーマンスに終わり、チームも同大会から早々に姿を消してしまう。すると、彼の定位置はベンチとなり、リーグ戦開幕から第8節ヘルタ・ベルリン戦の後半に入るまで、1分たりともピッチに立つことができなかった。当時、指揮官からは「早く本来のパフォーマンスに戻ることを願ってるし、お前に期待している」と声をかけられていたというが、チームがある程度うまく回っている以上、最終ラインのメンバーを替える必要はない。「攻撃(の選手)は10試合出てなくても11試合目で点を取ることはある。ディフェンス(の選手)は違うから・・・」と、自らの立場について難しさを感じていた。

(2)レギュラー確保

「まだ100%になってないような感覚があるっていうのは確かなので。どうやって(コンディションや試合勘を)回復できるか、少し辛抱していろいろ試してみたいと思います」と話していた酒井が主力としての地位を築いたのは、開幕から約3カ月後の11月。それまで右SBのレギュラーを務めていたデニス・ディークマイヤーが負傷離脱し、第12節以降2015年のブンデスリーガでは全試合フル出場を達成している。そのライバルがけがから戻ってきた年明け後、2試合は再びベンチを温めることもあったが、前半戦で見せた酒井のプレーは、ラバディア監督の目にしっかりと焼き付いていたのだろう。第20節からは主に右SBで、そして時に左SBで起用され、最終的に第34節まで毎試合先発出場し、レーバークーゼン戦を除き全試合フル出場となった。

(3)来季へ向けて

DFである以上、1度メンバーが固定されてしまえば、入り込む隙がなくなってしまう――酒井にとっての今シーズンは、最終ラインを司る者としてその難しさを改めて認識した1年となっただろう。試合に出られなかった時期を乗り越えられたのは、「体力、ボール感覚、ディフェンス能力・・・いかにベースを落とさないか、それだけ常に意識して(ベンチで過ごした)半年を過ごしたので。(グラウンドに)入った時にある程度スタンダードにできたのは、やっぱりしっかりと準備できていた証拠かなと思います」という酒井の精神的たくましさに他ならない。今季味わった苦しさを教訓に、来季は開幕からフルパワーで輝きを放つ酒井の姿に期待したい。

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