ホッフェンハイムは2月11日、健康上の理由で退任したフープ・ステフェンス監督の後を28歳のユリアン・ナーゲルスマン氏が引き継ぐことを発表した。ブンデスリーガ史上最年少監督の誕生である。ナーゲルスマン氏はその2日後、第21節のブレーメン戦でさっそく指揮を執った。低迷するチームに魔法をかけるまでには及ばなかったが、ホッフェンハイムは1-1で引き分け、貴重な勝ち点1を獲得している。ブンデスリーガ新米監督の1日を振り返る。

とても感情的になったよ」

記者会見終了後、ウェーザー・シュターディオンの地下は大量のカメラマンであふれた。お目当てはもちろん、28歳205日で監督に就任したナーゲルスマン監督。しかし、本人はブンデスリーガ史上最年少監督ということについて、「自分にとってはそれほど重要なことではない。『ウィキペディア』に“ホッフェンハイムは一丸となり、降格の危機を免れた”って記載されるようになる方がいいな」と話した。

ナーゲルスマン監督は不安をみじんも感じさせない。ユース年代とはいえ、ホッフェンハイムで10年も責任重大なポジションを任されてきただけあり、それも納得できる。しかし、「U-19の試合では興奮することはなかった。楽しもうと心掛けていたんだ。でも、やっぱりこの試合ではとても感情的になったよ」とデビュー戦を振り返り、多くの記者の質問にフレンドリーに、そして雄弁に答えた。

フレッシュな面々

その約2時間半前、ナーゲルスマン監督は試合前最後のチームミーティングを行っていた。その後、ブレーメンのビクトル・スクリプニク監督らと笑顔であいさつを交わし、試合開始数分前にベンチについた。

チームを指導する時間は限られていた。それでも、新たな戦術でプレーさせるには十分な時間だった。ナーゲルスマン監督はディフェンスに3バックを起用。先発メンバーの平均年齢は23.7歳と非常に若く、監督より年上の選手は途中出場した29歳のオイゲン・ポランスキだけだった。また、前節のダルムシュタット戦から4選手を変更。中でもフィリップ・オクスはこれが先発デビューとなった。

歓喜の初ゴールまでは、わずか10分。シュトローブルのクロスにクラマリッチが頭で飛び込み、ホッフェンハイムが先制する。ナーゲルスマン監督はコーチ陣とハイタッチし、小さく、しかし力強くガッツポーズを見せた。ところがその3分後、CKから同点に追いつかれる。77分にクラマリッチが2枚目のイエローカードを受けて退場した後は、我慢の時間帯が続いた。それでも1-1のまま試合は終了し、「ラッキーな勝ち点だ」と胸をなでおろした。残留争いがもっと厳しいことは心得ている。「チームの数的不利の状況での戦い方を見れたのはポジディブだった。いろんな手がかりを見つけたよ」と先を見据えた。ただしまずは来週、ドイツ最高位の指導者ライセンス(日本サッカー協会でいうS級ライセンス)の最終試験に受からなければならない。

「モチベーションを上げてくれる」

実戦での新しい攻撃スタイルは先制点を生んだ。「敵陣でボールを支配し、素早く切り替え、シュートを決めた。とても気に入ったよ」とゴールシーンを振り返る。就任会見では「チームから降格の不安を取り除き、選手たちのふさぎ込んだ気持ちを解放したい」と話していた。新監督と臨んだ一戦を終え、GKオリバー・バウマンは「この短い時間で、彼はよくやったよ」とたたえ、「彼は筋が通っていて、はっきりとしたプランがあるんだ。だからチームは彼を完全に信頼しているよ」と付け加えた。DFエルミン・ビチャクチッチはこう言う。「彼は僕たちに『自信を持って自由にプレーしろ』と言ったんだ。彼ははっきりした言葉で言う。モチベーションを上げてくれるし、分析家でもあるね」と。ホッフェンハイムは第21節を終えて2勝9分10敗で、下から2番目の17位。若き監督は託された使命をどのように果たしていくのだろうかーー。

史上最年少監督、ナーゲルスマン氏について知っておきたい5項目

ブンデスリーガ最年少監督ランキングのフォトギャラリー