サッカーというスポーツにおける「ゴール」の持つ力は、言うまでもなく絶大だ。ゴールが決まったそのたった一瞬で選手はもちろん、監督やコーチ、ファンら取り巻く人たち全てが感情を大爆発させる。そして、新天地で初ゴールを決めればその日から、昨日までは素っ気なかったチームメイトが肩を組みに近寄ってくる。サッカーにおける、ゴールの力は計り知れない。

11月3日はブンデスリーガで活躍する2人の日本人SBに共通する記念日だ。その2人とはハノーファー所属の酒井宏樹とシャルケ所属の内田篤人。この日は、酒井と内田がブンデスリーガ初ゴールをマークした日なのだ。

酒井、圧巻の30mロング

まずは2013年11月3日のブレーメンへさかのぼり、酒井のゴールを振り返ろう。ブンデスリーガ2013/14シーズンの第11節、敵地でのブレーメン戦で先発した酒井は1-2と1点を追う前半41分、右サイドでボールを持ち、様子を伺いながらボールを前へ運んだ。そして次の瞬間、突然ゴールへの道筋を見つけて右足を振り抜くと、30mのロングシュートは十分な速度でゴールに突き刺さった。ハノーファーはこの試合、86分に勝ち越されてしまったが、酒井のゴールは人々の記憶に残る美しいゴールだった。

内田、嗅覚のゴール

その酒井のゴールからちょうど1年前の2012年11月3日には、シャルケの内田がブンデスリーガ初ゴールを決めていた。敵地でのホッフェンハイム戦、シャルケは1-2で1点を追っていた。82分、右SBの内田は味方が敵陣内でボールを奪ったタイミングで、すかさずゴール前へするすると上がって行った。そして味方のシュートがGKの脇を抜けて内田の目の前にこぼれたところを、左足で押し込んだ。はじめからボールの来る場所を分かっていたかのようなアクションだった。ゴール後はすぐにボールを拾い、逆点への闘志を見せた内田だったが、チームは残念ながら終了間際に勝ち越しを許してしまった。現在、けがで長期離脱を強いられている内田だが、着実に復帰へと近づいている。厳しいリハビリを乗り越え、さらに成長した姿でピッチに戻って来るその日が待ち望まれる。

ブンデスリーガの日本人ゴール

ブンデスリーガでゴールを決めた日本人は、今季マインツに新加入した武藤嘉紀で16人となった。各選手が初ゴールまでに要した試合数が下記の通りだ。デビュー戦でゴールを決めた尾崎加寿夫氏から、84試合を要した酒井高徳まで、その道のりはさまざまだ。ピッチ上で自己主張の強いチームメイトに囲まれ、自然とチームのためにバランスをとる役割に回ることの多い日本人選手たちだが、だからこそ彼らのゴールはブンデスリーガに欠かせないスパイスとなっているのかもしれない。

日本人選手がブンデスリーガ初ゴールに要した試合数

84試合  酒井高徳    
51試合  内田篤人    
24試合  酒井宏樹    
18試合  奥寺康彦    
12試合  長谷部誠、原口元気    
11試合  岡崎慎司    
6試合  宇佐美貴史    
4試合  細貝萌    
3試合  高原直泰、香川真司、清武弘嗣、乾貴士、武藤嘉紀    
2試合  大迫勇也    
1試合  尾崎加寿夫