5月14日をもって2015/16シーズンのブンデスリーガもついに終焉を迎えた。そこで当サイトでは、この1年間における日本人選手の働きを振り返っていく。第8回目は、18位ハノーファーに所属する清武弘嗣。

(1)負傷との戦い

今シーズンから背番号10を背負うことになった清武には、攻撃の要としてチームをけん引する期待がかけられていた。しかし昨年6月上旬、日本代表での活動中に右中足骨を骨折し、シーズン序盤を欠場することが確定。その後、第4節ドルトムント戦でようやく復帰を果たし、第7節ウォルフスブルク戦ではマヌエル・シュミーデバッハのロビングパスから目の覚めるようなボレーシュートを決め、今季初得点をマークした。しかし、清武の右足は再び悲鳴を上げ、リーグ戦9試合連続先発出場をした後、11月の日本代表招集中に再び同じ箇所を骨折するという悲劇に見舞われた。第22節アウクスブルク戦で今季2度目の復帰となったが、最終的には21試合出場、5得点6アシストの成績でシーズンを終了。順風満帆とは程遠いシーズンとなった。

(2)自身2度目の降格

第31節、アイントラハト・フランクフルトマインツに勝利した時点で、ハノーファーの降格が正式に決まった。一時は欧州リーグ(EL)にも出場するなど、中堅クラブとしての地位を築いてきた同クラブは、これで2001/02シーズン以来となるブンデスリーガ2部を戦うことになる。また清武にとっては2013/14シーズンのニュルンベルク所属時に次いで、ドイツでは2度目の降格。昨シーズン最終節で残留を決めた際に、「2年連続(の降格)は避けたかったんで・・・本当に良かったです。でもハノーファーは落ちるチームじゃないし、まあまた来シーズンはラース(シュティンドル)がいなくなっちゃうし、チームとしてどうなっていくか分からないですけど、こういう経験を生かしてまた来シーズンも戦えればいいかなと思います」と話していたが、「チームとしてどうなっていくか分からない」という清武の不安は現実のものとなってしまった。

(3)強すぎた“清武依存症”

今季のハノーファーにおいて清武の存在意義は極めて大きく、「清武が出場しない=前線で起点が作れない」というありさまだった。実際に清武が出場した場合21試合で勝ち点21を稼いでいる同クラブだが、同選手が負傷で離脱していた13試合は4ポイントという惨憺たる結果。また、先述の清武の言葉にもあるように、昨シーズンにチームをリードしていたラース・シュティンドル、そしてジミー・ブリアンが抜けた穴を埋める効果的な補強はされず、その負担は清武が1人で背負うことになった。

(4)来季へ向けて

ハノーファー所属選手の多くが移籍の道を選ぶことは必至であり、その中でもとりわけ高い技術を持つ清武をめぐっては、今オフ中に国内外の複数クラブが接触を図ることが予想される。去就は今後発表されることになるだろうが、清武の行く末に注目が集まる。

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