ヨシュア・キミッヒは2015/16シーズン、移籍したバイエルン・ミュンヘンで23試合に出場した。ジョゼップ・グアルディオラ監督からは「将来、ドイツを代表する選手になるだろう」と太鼓判を押され、欧州選手権(EURO)に出場するドイツ代表の暫定メンバーにも選ばれている21歳の選手に、今シーズンを振り返ってもらった。

——キミッヒ選手、このようなシーズンになると事前に教えてもらっていたら、何と言っていたでしょうか? ブンデスリーガ23試合、欧州チャンピオンズリーグ(CL)9試合に出場し、リーグとドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)で二冠を達成。さらに、EUROのドイツ代表暫定メンバーに選ばれました。

キミッヒ これほど良いシーズンになるとは多くの人が思ってなかったでしょうし、自分自身もそうです。バイエルンへの移籍に関して、批判的な声もありました。ワールドクラスのチーム、多くの世界的スター選手たち・・・。若手選手に出場する機会などないと・・・。でも今になって振り返ると、正しい第一歩だったと思います。ただ、最初の一カ月で分かったのは、バイエルンのようなチームでも毎日、自分の力を証明していかなければいけないということです。

——ブンデスリーガとDFB杯の優勝をお祝いしてもらいましたか? キミッヒ選手はお世辞ではなく、今季のベストメンバーの一人です。DFB杯の決勝でも活躍されました。

キミッヒ (笑) もちろんお祝いしてもらいましたよ。僕たちはそれに値することをしたと思います。DFB杯の決勝、そして優勝は特別でした。PK戦では失敗してしまいましたが、もちろん成功させたかったです。この試合で、このようなチームでプレーできることがどれほど素晴らしいか、あらためて実感しました。新たな経験を積み、ちょっとだけ自信が大きくなった気がします。

——バイエルンというチームでこのようなシーズンを送ったことで、成長しましたか?

キミッヒ もちろん、自信につながりました。それに毎日、たくさんのことを学ぶことができます。自分にとって今季はパーフェクトでした。チームメイトたちは経験豊富なので、よく助けてもらいました。だから、自分にとってはとてもやりやすかった。このようなベテランの選手たちが側にいると、多くのことがよりやりやすくなります。

「一歩一歩」

——サッカーの世界では育成からプロへの移行についてよく議論になります。キミッヒ選手の場合、それを完璧にやってのけました。

キミッヒ 道は人それぞれです。ストレートな道を行く若い選手たちもたくさんいます。つまり、U-19やアマチュアのチームからプロに昇格する選手たちのことです。僕はそれとはちょっと異りましたが、振り返ると自分にとって正しい道でした。僕はシュトゥットガルトのU-19チームから当時3部のライプツィヒに移籍し、ブンデスリーガ2部に昇格しました。僕の場合、一歩一歩でしたね。

——まだ21歳ですが、とても落ち着いていますね。

キミッヒ そう見えるなら、うれしいです(笑) 真面目な話、自分がどんな人間なのか、自分は何ができるのかを見せるのは大事なことだと思います。それが一番です。誰かのマネをしたり、偽りの自分を演じたりするのは、意味がないことだと思います。

——キミッヒ選手はさまざまなポジションでプレーできます。守備的MF、右SB、さらにCBまで・・・。

キミッヒ CBをやったのは13歳以来でした(苦笑) バイエルンでうまくいったのは、チームメイトやポゼッションサッカーのおかげです。他のクラブだったら、うまくプレーできなかったでしょう。前へと攻撃を仕掛けるバイエルンだったからこそです。1対1の頭での競り合いも他のクラブよりは多くないはずです。それと、経験豊富なチームメイトがサポートしてくれたからです。

——バイエルンはDFの負傷者が続出していました。キミッヒ選手にとってはそれがチャンスにもなりましたが、今季はそのような運も手伝ったと感じていますか?

キミッヒ チームメイトの負傷は決して喜ばしいことではありません。でも、それは起こることです。若手選手にとっては、チャンスがめぐってきたら、それを生かすことが何よりも大事になります。

——グアルディオラ監督から影響を受けましたか?

キミッヒ もちろん、とっても。監督は自らの責任で僕をバイエルンに呼び、負傷者がそれほどいなかったリーグのドルトムント戦やDFB杯の決勝でも僕を出場させてくれました。若い選手としては、とても信頼されていることを感じました。それはとても大きかったです。ここ数カ月、とても多くのことを学びましたし、今でも毎日学んでいます。トレーニングでは新たな刺激を受けたいですし、もっと自分を成長させたい。良いプレーでチームに貢献したいんです。結束が大事だということをバイエルではさらに痛感しました。

ラームは最高峰の選手

——キミッヒ選手はドイツサッカーの期待のホープです。第二のフィリップ・ラームだと言う人もいます。

キミッヒ (笑) ラーム選手と比較されるのは恐れ多いですよ。彼はサッカーのキャリアにおいて全てを獲得してきた選手ですから。毎試合、そして毎回のトレーニングでラーム選手がどれほどコンスタントに素晴らしいパフォーマンスをすることができるか、感銘を受けています。若い選手が目標を定めることのできる、最高峰のレベルです。これから彼をいつも観察していくことは、良いアイデアかもしれませんね。

——この夏はEUROに出場するかもしれませんし、カルロ・アンチェロッティ新監督の下、バイエルンはアメリカツアーを行います。

キミッヒ 新しいチャンスはいつもワクワクしますし、重要です。ドイツ代表でのチャンスをとても喜んでいますし、最終メンバーに選ばれるように全てを出します。それは夢です。たくさんの新しいことを学びたいと思います。新監督の下でも同じくそうです。