1月30日に行われたブンデスリーガ第19節のドルトムントインゴルシュタットで、新たな有望株がプロの第1歩を刻んだ。68分、アドリアン・ラモスと交代でピッチに登場した少年の名前は、クリスチャン・プリシッチ――巨大なポテンシャルを持つ若手として、今最も注目を集めているプレーヤーである。残念ながらゴールに絡むことはできなかったが、左MFに入った同選手は出場直後にドリブルで縦への強引な突破を図るなど、若さあふれる魅力的なプレーを8万人の観衆に見せつけている。

「もちろん緊張していた」

驚くべきはその振る舞いだった。戦いが終わった後、同選手は「もちろん緊張してたよ」と笑ったが、試合中の表情に強張りはなく、まるでデビュー戦が普段の練習とまったく同じものであるかのように、プリシッチは純粋にサッカーを楽しんでいる。トーマス・トゥヘル監督から命じられた「試合を満喫してこい。お前ならできる」という言葉を、見事なまでに体現した。

1年未満でU-17からトップチームへ

クロアチアにルーツを持ち、米国はペンシルバニアに生を受けたプリシッチは、2013年に14歳でU-15米国代表デビューを果たすと、そのわずか2カ月半後にはU-17同代表に飛び級で招集されるなど、早くからその才能をいかんなく発揮した。そんな同選手を発掘したドルトムントは早速獲得を打診し、2015年2月、父親とともにドイツへ渡ったプリシッチはU-17ドルトムントと契約。それからわずか半年後の7月には16歳ながらU-19に昇格し、さらに半年が経過した今年1月、トゥヘル監督は同選手をドバイ(アラブ首長国連邦)合宿に招集することを決断するなど、そのキャリアは急激な上昇曲線を描いている。

「クリスチャンはトレーニングで示していた勇気を、この試合でも見せてくれた。トップチームでも戦えるということを自分でも確認できただろう」と、トゥヘル監督も目を細めるヤングスターは、首位バイエルン・ミュンヘンを追い掛けるドルトムントにとって新たな起爆剤となるだろうか。


※ブンデスリーガ最年少出場記録は以下の通り

選手名所属クラブ(当時)年齢
ヌリ・シャヒンドルトムント16歳335日
ユルゲン・フリードルフランクフルト17歳25日
イブラヒム・タンコドルトムント17歳60日
ユリアン・ドラクスラーシャルケ17歳116日
マーク・ステンデラフランクフルト17歳117日
クリスティアン・ベアンスワルトホフ・マンハイム17歳121日
クリスティアン・ビュックニュルンベルク17歳132日
クリスチャン・プリシッチドルトムント17歳133日
レナート・ハートマンヘルタ17歳136日
マークアンドレ・クルスカドルトムント17歳137日