ブンデスリーガ第26節のドルトムントマインツの試合中、観客の二人が心筋梗塞により倒れ、一人が亡くなった。そのことを知った両チームのサポーターは、後半戦から歌や大声での応援を止め、静かに試合を見守った。スタジアムは悲しみに包まれたが、試合後にはサポーターや選手らが“You’ll never walk alone”を歌い、哀悼の意を表した。ドルトムント主将のマッツ・フメルスのインタビューをお届けする。

——悲しい知らせはピッチ上で聞いたのでしょうか?

フメルス とても驚きました。というのも、自分たちは何が起きたか知らなかったんです。情報は全く入っていませんでした。自分たちは試合を続行しなければなりませんでしたし・・・。ピッチ上では仲間たちと少しだけ言葉を交わし、きっと何かが起こっているに違いないと思っていました。スタジアムの雰囲気は通常とは全くことなりました。それどころか、このようなことは、ドイツ代表のパリでの親善試合(2015年11月13日)で経験したのみです。スタジアムの雰囲気は、その時ととても似ていました。とても静かだけれど、ザワザワしているのが伝わってくる。とても珍しいことでした。試合後、すぐに知らせを聞きました。観客の皆さんの対応も、“You’ll never walk alone”を歌い始めたのも素晴らしかったと思います。

——ファンの対応に大きな賛辞ですね。

フメルス その通りです。あのように静かにすることが、ふさわしかったと思います。チームを心から応援してほしいですが、常に100%でということではありません。(試合後に)“You’ll never walk alone”を2回も歌ってくれて、ファンは本当に素晴らしい対応を見せてくれました。みんなにとって、やりきれない出来事でした。自分たちにとっても。試合後、南スタンドの前へ行きました。自分たちが感銘を受けていたのが、見て取れたと思います。観客席で倒れるということがどのようなことかも分かっています。だからこそ、静かな雰囲気の中でこの勝利を味わいました。

——パリでの出来事と似ていたと仰いました。ピッチ上でそう考えていたのですか?

フメルス それは試合後に思いました。試合中は、何かが起こったに違いないと思っていました。フランスでも雰囲気が変わったんです。それを思い出しましたよ。何かが起こったんだって、すぐに分かりました。

——静寂の中で試合をするのは難しかったですか?

フメルス とても異様な雰囲気でした。まるでトレーニングや30人、40人しか観客がいない練習試合のような・・・。集中力を保つのは容易ではなかったです。だけど、チームはうまくやってのけたと思います。きっと誰もがそう言うと思います。それはこの日、一番重要なことではありませんでしたが・・・。 

「4、5点入っていても不思議ではなかった」

——試合の結果についてはいかがですか?

フメルス また(トゥヘル)監督の予想通りの展開となりました。マインツは絶えずハードワークをしてくるので、自分たちはそれに耐えなければならないと。自分たちは冷静さを失わないようにしました。そして、マインツにCKを与えるまでは、チャンスを許しませんでした。ハーフタイム後は、徐々に空いてきたスペースを使いました。そこからシュートチャンスも生まれています。でも、おかしなことに、65分を過ぎても1-0のままでした。それまでに4、5点入っていても不思議ではなかったのに・・・。最終的には勝ちましたが、あと何得点か挙げることが必要だったかもしれない。

——チャンスをなかなか生かせませんでしたが、パフォーマンスとしては良かったです。

フメルス そうですね。よくコントロールし、精一杯やりました。オフェンシブの選手たちもハードワークでした。敵のゴール前で最善を尽くせたわけではありませんが、長い距離を走ってカバーしましたね。マーコ・ロイスは最後に自陣のペナルティーエリアまで戻ってきましたし、それは模範的でした。そこのケアをしたこともあり、自分たちはこの試合で勝つことができました。

——マーコ・ロイスは欧州リーグ(EL)のラウンド16でトッテナム(イングランド)相手に2得点を奪い、今節もまたゴールを挙げました。スランプから脱出したと言えますか?

フメルス マーコはとっても良いプレーをしましたね。彼にもそう言ったんですよ。無人のゴールへのシュートを失敗するまではね。それと、86分の不用意なパスは怒鳴らなければなりませんでしたが、すべて順調にいきましたね。

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