5月14日をもって2015/16シーズンのブンデスリーガもついに終焉を迎えた。そこで当サイトでは、この1年間における日本人選手の働きを振り返っていく。第1回目は、2位ドルトムントに所属する香川真司。

(1)トゥヘル体制での再出発

自身を日本から欧州に呼び、そしてマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)から再び連れ戻してくれた恩師ユルゲン・クロップ氏(現リバプール監督)は、昨シーズン限りでチームを去った。トーマス・トゥヘル監督の下、再起を誓った香川は「(練習や試合を)やっていてすごく楽しい。(監督から具体的には)『攻撃のところでもっとボールを受けて、自分の持っているものをピッチで出してくれ』と。『スキルがあるというのはわかっているから』ということも言ってくれますし、しっかりと自分を証明していきたいと思います」と、充実したプレシーズンを過ごしていた。

(2)左MFという新たなポジション

クロップ監督が多用した4-2-3-1をやめ、今季前半戦のトゥヘル監督は4-3-3を基本フォーメーションとした。そこで香川は左MFというポジションを与えられ、MFイルカイ・ギュンドアン、MFユリアン・ワイグルとともに中盤を構成。「リズムだったり距離感であったり、そういうところの役割をみんなが把握できてる感じはしますし、自分の役割をみんながやってるから、『どこでボールを受けたらここに(ボールが)来る』っていう共通意識はすごくあるんじゃないかなと思います」と話したように、前線の3人やSBと連動しながら流れるようなサッカーを展開し、ドルトムントは得点を量産した。また守備面ではトップ下と違い、体を激しくぶつけボールを奪いきることなども求められるポジションだったが、今季の香川は1対1勝率が激増。これまでの在籍4シーズンで初めてその数字が50%を超え、1年間の戦いを終了している。

(3)ダービー2戦連発

2010年9月19日、宿敵シャルケとのルールダービーで2得点を決め、ドルトムントサポーターのハートをわしづかみにした香川。その思い出が今シーズン再び蘇った。第12節では30分に、同選手としては非常に珍しいヘディングでのゴールを決め、第29節も0-0で迎えた49分、MFモーリッツ・ライトナーのリターンパスを受けるとGKの上を抜く華麗なループシュートで得点。クラブの威信をかけたダービーで2試合連続先制ゴールをマークし、「ドルトムントに香川あり」を改めてサポーターに印象づけた。

(4)来季へ向けて

昨シーズンと比べ、フル出場は7試合から14試合に倍増。また得点とアシストのどちらも数字が伸び、9ゴール7アシストの成績で、クラブ史上最多シーズン82ゴールを記録したドルトムント全得点の19.51%に直接関与した。さらに今シーズンは左インサイドハーフ、トップ下、2シャドーの一角など様々なポジションを任せられ、より柔軟なプレーもできるようになっている。大黒柱DFマッツ・フメルスの移籍が決まってしまい、ドルトムント5年目を迎える香川には、これまで以上に中心選手としての自覚、そして結果が求められるだろう。ブンデスリーガ、欧州チャンピオンズリーグ(CL)、ドイツサッカー連盟カップ(DFB杯)などすべての大会で躍動する彼の姿を、サポーターは待ち望んでいる。

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