Summary

  • ハンブルガーSVのアープが“北部ダービー”でデビュー
  • ブンデスリーガ初の2000年代生まれの選手
  • ドイツ代表のエースとしてU-17ワールドカップ優勝を狙う

9月30日に行われたハンブルガーSVブレーメンの“北部ダービー”でブンデスリーガの歴史にまた新たな1ページが加わった。主役は89分にピッチに投入されたハンブルクのFWヤンフィーテ・アープ。2000年1月6日生まれの17歳のストライカーだ。クラブとドイツ代表の未来を担う金の卵が、2000年代生まれ初のブンデスリーガーとなった。

ミレニアム世代の先頭を切ってデビュー

アープは10月6日にインドで開幕するUー17ワールドカップにドイツ代表として出場する。本来であればブレーメン戦の前に現地入りするはずだったが、マークス・ギスドル監督の要望で急遽ハンブルクに残ることになった。「(ブレーメン戦で)ベンチ入りできたらいいなと思っていた」。その予感は現実のものとなり、試合終了目前でブンデスリーガデビューを果たした。

5万人を超えるサポーターで埋め尽くされたスタジアムの雰囲気に、アープは「とにかく圧倒された」という。「ウォーミングアップをしている間も出番が回ってくるよう祈っていた。どんな形でもいいからピッチに立って、ゴールを決められるようにとね」

出場は数分間にとどまり初ゴールこそならなかったが、まだプロとしての第一歩を踏み出したばかり。その時はいずれ必ず巡ってくるはずだ。「3分間だけだったけど、これはまだスタートに過ぎない」と本人は先を見据えている。

10歳からハンブルクに在籍するアープは今年、フリッツ・ヴァルター・メダルのUー17部門で金メダルを受賞。この夏のU-17欧州選手権はスペインに敗れて優勝を逃したが、グループステージのボスニア・ヘルツェゴビナ戦で大会史上最速となる13分でハットトリックを達成した。「1番ゴールを決めたのはUー12の時かな。22ー0で勝った試合で16ゴールを決めたんだ」。点取り屋としての資質は十分だ。

ハンブルクでの成功を目指す

アープが手本にしているのはロベルト・レバンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)、ルイス・スアレス(バルセロナ/スペイン)、ハリー・ケイン(トッテナム/イングランド)の3人。中でもユース時代からトッテナムでプレーするケインには強い憧れがある。「彼は典型的なセンターフォワード。僕もああなりたい。あのスタイルで成功しているので、僕も熱心に真似しているよ」

この夏はチェルシー(イングランド)がアープの獲得に興味を示していたが、「移籍に意味を見いだせなかった。僕はここでやり抜いていきたい」と、ハンブルクで一人前になることを選んだ。昨季のウィンターブレークからトップチームの練習に参加し、今年6月にはクラブとの契約を2019年まで延長。現在はアビトゥーア(高校卒業資格試験)に向けて学業を優先させるため練習参加は週1回に限られているが、その中でギスドル監督の目にとまった。

ギスドル監督はアープだけでなく、20歳の伊藤達哉と18歳のバシリエ・ヤンジチッチをブレーメン戦の先発に大抜擢。「彼らはとても良くやっていた。練習で見せていたことをしっかり実践してくれた。(彼らの起用を)クラブの方針としてやっていくべき。辛抱も必要になるだろうけどね」と、若い力にチームの将来を託すべきとの考えを示した。

Uー17W杯での目標を「優勝」と言い切るアープに、Uー17ドイツ代表のクリスティアン・ブュック監督は「ブンデスリーガでデビューできて良かった。この経験はきっとW杯で活躍しようとする彼の背中を押してくれるはず」と大きな期待を寄せる。Uー17W杯の決勝が行われる10月28日までに、ブンデスリーガは3試合が行われる。ギスドル監督は別の意味で辛抱を強いられそうだ。