ブンデスリーガ第28節ホームでのホッフェンハイム戦は、ケルンにとって1部残留の鍵となる試合だった。先発メンバーの発表で多くの人を驚かせたのは Nagasawaの名前。シュテーガー監督がこのタイミングで今季初めてを先発に送り出したのだった。

試練の時

専修大学を卒業し、昨季後半戦から当時ブンデスリーガ2部のケルンに加入した長澤は、『カレッジチーム』の選手がブンデスリーガで通用するのかと半信半疑な周囲の目をよそに、めきめきと頭角を表し、1部昇格に貢献した。「和輝は予想外のスピードでドイツサッカーに順応した」とスポーツディレクターのヨルク・ヤコブスス氏をうならせ、1部昇格が決まった10日後には当初2016年までだった契約を2018年まで延長している。1860ミュンヘンから大迫の加入も決まり、ブンデスリーガ1部での新シーズンを前に、日本人選手2人の活躍 へ期待が集まっていた。

しかし、長澤に試練の時がやってくる。2014年7月、開幕前の練習試合で膝の内側じん帯を損傷。10月に復帰したが体調を壊すなど不運が重なり、今季はこれまで3試合の途中出場、出場時間も32分に留まっていた。

ブンデスリーガ2部1860ミュンヘンで半年間を過ごし、ワールドカップを経てチームに合流したにとっても1部での船出は厳しいものだった。リーグ戦22試合に出場で2得点。後半戦は冬に新加入したブラジル人FWダイバーソンと定位置を争い、先発の機会が減っていた。


待望の日本ライン

我慢の時期を経てチャンスが巡ってきた。第28節ホッフェンハイム戦で初めて同時に先発した大迫と長澤は、それぞれの持ち味を存分に発揮。長澤が中盤を縦横無尽に駆け回り攻撃にリズムを与えると、前線での仕事に専念した大迫は積極的にゴールに向かい、前半19分にはチームの先制点につながるPKを獲得した。

チームの2点目ではファン待望の日本ラインがくっきりと浮かび上がった。長澤が相手DF3人を引きつけて顔を上げると、絶妙のタイミングで大迫が呼び込む。最後は大迫からウージャが受けゴールし、2−0と相手を突き放した。試合後、大迫は「自分の力をピッチで表現できた」と満足そうに話した。この勝利で1部残留に前進したケルン。結果はもちろん、チームの攻撃を驚くほど活性化させた日本ラインに熱い注目が集まっている。