ロイスとゲッツェ

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マーコ・ロイス

マリオ・ゲッツェ

。公私において仲が良い彼らは、4月4日のブンデスリーガ第27節初日、

ドルトムント

バイエルン・ミュンヘン

の“クラシック”を舞台に激突する。出会い、チームメートとしての日々、そして別離――今やドイツを代表する選手となった2人の関係に焦点を当てていく。 ロイスとゲッツェはともにドルトムントの育成組織出身だが、年齢が3つも離れていたため所属する年代別のチームは異なり、当時は言葉を交わす間柄になかった。また前者は16歳の時にRWアーレンへ移籍。違うクラブで別々の道を歩み始めた2人だったが、2009年のU-21ドイツ代表で知り合うとすぐさま意気投合。普段からも連絡を取り合う関係になった。 2012年夏、メンヘングラートバッハ(ボルシアMG)に属していたロイスをドルトムントが補強すると、2人の絆はさらに強固なものとなる。ピッチ上で夢のようなコンビネーションを見せる両選手について、バイエルンの名誉会長であるフランツ・ベッケンバウアー氏は当時「世界最強のペアだ。普段、彼らがプライベートでも一緒にいるように、グラウンドの上でも彼らはパーフェクトなハーモニーを奏でている。彼らがドルトムントを欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝に導いたんだ」と手放しで称賛していた。 しかし、それも長くは続かなかった。2013年夏にゲッツェのバイエルン移籍が決まったからだ。多くのドルトムントファンが失望や怒りをあらわにする中で、ロイスは「マリオは自分の未来のために決断したんだ。それはリスペクトされなければならない」と、親友をかばっている。2人が同じ“Schwarz-Gelb(黒と黄色)”のユニフォームを着て戦ったのはわずかに1シーズン、公式戦計48試合のみだったにもかかわらず、彼らの間には“ただのチームメート以上の関係”ができあがっていた。 “裏切り者”と呼ばれたゲッツェがロイスへの恩返しを果たせたのは、それから1年強が経過した後だった。ブラジルW杯でドイツが優勝を決めたそのピッチ上で、ゲッツェは『ロイス 21』の代表ユニフォームを堂々と掲げ、盟友への思いを表現。ロイスも「兄弟よ、ありがとう」と自身の公式ツイッターで呼応している。 この厚い友情は今週末、90分間限定で引き裂かれることになる。ジグナル・イドゥナ・パークでのドルトムント対バイエルンは、『ロイス対ゲッツェ』という構図でもあるからだ。果たして勝利を手にするのは、ロイスかゲッツェか――第27節最大の注目ゲームは日本時間4日25時半にキックオフの時を迎える。