ブンデスリーガの下位チームが生き残りを懸けたし烈な残留争いを繰り広げる一方で、ブンデスリーガ2部の上位チームによる昇格争いも激しさを増してきた。ここで、第26節終了時点で4位につけるが所属するカールスルーエの状況について整理したい。

まずはブンデスリーガの昇格&降格システムについておさらいすると、最終節(第34節)で1部の17位、18位(最下位)となったチームは翌シーズンから自動的にブンデスリーガ2部に降格し、ブンデスリーガ2部の1位、2位チームは自動的にブンデスリーガに昇格する。1部の16位チームと2部の3位チームはホーム&アウェー方式の入れ替え戦を行い、この成績によって残留、あるいは昇格・降格が決まる。つまり、2部所属チームは最終順位で3位以内に入ることを大きな目標の一つとしてシーズン通して戦っている。

昇格候補クラブの顔ぶれと現状

それでは第26節時点の順位を振り返ってみよう。首位はインゴルシュタットで、第8節からこの位置をキープしている。開幕戦から13試合無敗だったが、現在は13勝3敗10分で勝ち点は49。2004年に創設された新興クラブは、このままトップで完走できれば初の1部挑戦となる。インゴルシュタットを勝ち点3差で追いかけるのが、カイザースラウテルン。こちらはリーグ創設年から参戦している名門で、1990/91、1997/98 シーズンには1部で優勝を果たしている。3位は ダルムシュタットで勝ち点は45。3部に所属した昨季は3位でビーレフェルトとの入れ替え戦に回り、劇的な逆転勝利を収めて約20年ぶりに2部へ復帰。勢いそのままに1部への階段を駆け上がろうとしている。そして、4位が山田のカールスルーエで、3位ダルムシュタットとの勝ち点差はわずか1。首位との差は5で、昇格だけでなく優勝も射程圏内だ。前述のように前半戦からインゴルシュタットが首位の座に君臨しているが、2位〜4位はここ7試合、上記3チーム(カイザースラウテルン、ダルムシュタット、カールスルーエ)の三つ巴となっている。もちろん、5位以下のチームにも昇格の可能性はあり、5位のデュッセルドルフ、6位のブラウンシュバイク、7位のライプツィヒが虎視眈々と終盤戦からの巻き返しを狙っている。

順位(第26節)

クラブ

勝ち点

1位 インゴルシュタット 49
2位 カイザースラウテルン 46
3位 ダルムシュタット 45
4位 カールスルーエ 44
5位 デュッセルドルフ 39
6位 ブラウンシュバイク 38

古株カールスルーエ

カールスルーエは1894年に発足された歴史あるクラブで、ドイツ西南部の人口約30万の同名都市を拠点としている。かつて、オリバー・カーン氏(元ドイツ代表)が所属していたことでも有名だ。ブンデスリーガ創設年から参戦し、その後は何度も昇格と降格を繰り返し、2012/13シーズンには3部まで落ちていた。翌2013/14シーズンに2部で5位というまずますの成績を収めると、今季は2007/08シーズンを最後に遠ざかっていた1部への復帰が手の届くところまできている。

今後の展望とストロングポイント

今季は第6節まで無敗(3勝3分)と好スタートを切ったが、その後はまさかの3連敗。そこから再び持ち直して今度は8試合負けなしで一気に2位へと躍り出て、それ以降も4位以内をキープしている。第24節からライプツィヒ、インゴルシュタット、カイザースラウテルンと上位対決が続いたが、首位インゴルシュタットを3-1で下すなど1勝2分で切り抜けた。残り8試合は下位チームとの対戦が多くなっているが、ここからの昇格争いは一つの敗戦が命取りとなるため、油断は禁物だ。また、第32節(5月11日)にはダルムシュタットとの直接対決があり、この試合が両チームの明暗を分けるかもしれない。カールスルーエの長所は、すべてのポジションにおいて質の高い選手がそろっていること。特にMFの山田、ラインホルト・ヤボ、ローベン・ヘニングスの攻撃力が多くの得点を生んでいる。

キープレーヤー:山田大記

今季、ジュビロ磐田から移籍した山田はここまで25試合に先発しており、6得点3アシストをマーク。サイドを起点にチャンスをつくり出し、今やチームに必要不可欠となっている。その前線での存在感は、当ブンデスリーガ公式サイトドイツ語版が“カールスルーエ昇格のキープレーヤー”の一人に挙げるほど。乾貴士(ボーフム→アイントラハト・フランクフルト)や大迫勇也(1860ミュンヘン→ケルン)は2部でのプレーが認められて1部のチームに引き抜かれたが、山田の場合はクラブとともに1部昇格を果たし、来季26人目の日本人ブンデスリーガーになるかもしれない。