「ブンデスリーガQ&A」第6回は、ブンデスリーガの選手育成事情についてお答えします。

今や、魅力的な選手たちがそろい踏みし、ワールドカップのチャンピオンに返り咲いたドイツ代表。しかし、この成功までの道のりは、大きな挫折からスタートしたのです。2000年の欧州選手権で、ドイツ代表は予選敗退の大失態。明らかに時代にとり残された姿を露呈し、惨敗した代表チームは大批判を受け、世間ではドイツサッカーの問題点ばかりが日々討論されていました。

どん底からの改革

その渦中で、専門家たちが長期的な解決策を模索し始めます。その急務に当たった中心人物が、当時のドイツサッカー連盟(DFB)会長、ゲアハード・マイヤー・フォーフェルダー氏。 ブンデスリーガには、リーグ参戦のために各クラブがクリアしなければならない、厳しいライセンス制度がありますが、そのライセンス取得のための必要条件として、育成部門(以下アカデミー)の設置を義務づける改革を行いました。

質の高い育成環境

アカデミーを設置する目的は、選手育成の質向上と、アマチュアレベルからの底上げとされており、各年代の才能ある若い選手たちに、質の高い育成環境が提供されています。

例えば、ブンデスリーガ1部のアカデミーには、最低4つの練習コートを持つこと、冬には室内練習場での練習が可能であることなど、環境面の条件が定義されています。
アカデミーの指導者は、最低でもDFBエリート・ユーゲント・ライセンスの所持者(または取得中)であること、アカデミー専属の医師、理学療法士(2人)、リハビリ担当、フィットネスコーチ、教育・心理部門の専門家がそれぞれ従事していることも証明しなければなりません。これはあくまで最低条件です。それだけでなく、 若い選手たちに対する、八百長やギャンブル依存の予防、人種差別教育などの要項も盛り込まれています。

学業とスポーツの両立に触れており、クラブはすべての選手各々が可能な限りの高い成績で学校を卒業できるよう働きかける責任を負っていいます。

10億ユーロ以上を投資

各クラブにおいて、育成部門がどれほどに重用視されているかは、その出資状況を見てもよくわかります。育成部門への 2002/03シーズンから2014/15シーズンまでの総出資額は、全てのライセンスクラブの合計で10億ユーロに達しました。

DFL運営委員長、アンドレアス・ナーゲル氏は「ドイツ国内における、育成部門の質は非常に高まっている。各クラブが、ただ用件を満たすだけにとどまらず、自主性をもって取り組んでいる。育成部門にかかる人件費だけ見ても1シーズンに、1億2千万ユーロの投資が行われている。」と説明。

将来を見据えた改革の成功は、マックス・マイヤー、レロイ・サネ(ともにシャルケ)、マーク・ステンデラ(フランクフルト)ら、各クラブのアカデミー出身の選手たちの活躍が、証明しています。今日も、多くの若手選手たちが、多くの人々に見守られスター選手を目指しているのです。

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