2013年夏に加入したマインツで2シーズン目を過ごす。昨シーズンは15ゴールを決め、チームの欧州リーグ予選進出に大きく貢献した。今季も開幕からコンスタントに得点し、第14節までに8ゴールという昨年以上の結果を残していたが、9ゴール目がなかなか決まらない。無得点期間は678分まで伸び、その間にチームも大きく順位を落としてしまった。岡崎は現状をどう捉えているのか。ブンデスリーガ公式サイトが本人に心境を聞いた。

――後半戦が始まってから6試合が終了しました。マインツはここまで2勝3敗1分で12位、自動降格圏との勝ち点差が3という苦しい状況ですが、岡崎選手個人としてはどうでしょうか。

岡崎 自分はアジアカップがあって、その前はワールドカップもあって、大きい大会を通して心境に変化があり、もっといろいろなことにチャレンジしようと思うようになりました。今は結果や内容を求めたり、もっと自分を高い位置に持っていけるよう頑張っています。前半戦は点が取れている時期もありましたが、勢いで取っていた印象です。チャンスは1試合に1、2本くらいで、そこで決められているときは良かったけど、この状態ではいつか点が取れなくなるなと予感している部分もありました。自分に対するマークも徐々にきつくなっていましたから、今後も点を取り続けるためには、さらに先に進むしかないと思いました。

――確かに岡崎選手は昨年12月7日の第14節ハンブルガーSV戦以来、ゴールがありません。「先に進む」というのは、具体的にはどういうことでしょうか。

岡崎 マークがきつくなっても、動きを読まれている中でも、点を取るということだと思います。アシストに関しても、昨シーズンはほとんどありませんでしたが、今シーズンは獲得したPKを含めるとすでに4アシストぐらいになります。昨シーズンは点を取れなかったら終わりと思っていましたが、今シーズンはゴールを取れない試合でもチャンスの起点になることができていたりして、そういう点では成長を実感していますね。もちろんゴールが一番大事なのは分かっているので、チャンスを作りつつ、自分でもゴールを決めるのが最終形態です。

――昨シーズンはとことんゴールにこだわっていましたが、今チャンスメークを意識するようになった理由は何でしょうか。

岡崎 対戦相手が変わったり、味方のメンバーが変わったりすると、自分のチームのスタイルも変わるので、自分はそのやり方にフィットしないといけません。サッカーではある特定の選手が同じパターンのプレーを続けることはできないと思うんです。だから、今はゴールが決まらないことに対してイライラしていませんし、自分が点を取れないときは、他の選手が取ってくれるだろうくらいに考えています。もちろんストライカーという位置に置かれているので、ゴールを決めたい気持ちは強いですけど、それだけがサッカーというわけではないですから。今はこれまでとは違う点の取り方も模索しています。今シーズンは裏へ抜けてのゴールは少ないですけど、こぼれ球とか、クロスに飛び込んでのゴールが増えたので、その点でも一つ成長したと思いますね。

――マインツのフロントは第21節ドルトムント戦での2-4敗戦という結果を受けて、ヒュルマンド監督の解任を決断しました。シュミット新監督の就任によって大きく変わった点は何でしょうか。

岡崎 ボールを取ったらまず前を見る、そして裏に蹴ることを意識するという点ですね。形がシンプルで、ボールを取ったらボランチ経由で裏を狙うというスタイルです。ボールの支配率は低くなるけど、自分たちのチームのカラーには合っているのかなと思います。チャンスが増えた一方で、リスクは減りました。

――新監督はその熱血漢で、ユーモアあふれる人柄ゆえにドイツメディアの注目を集めていますが、岡崎選手はどういう印象を持っていますか。

岡崎 熱血漢というか、アグレッシブで、すごく明るいですね。感情を表に出すタイプだと思います。

――監督は岡崎選手の練習態度について「練習風景を撮影して、指導用ビデオとしてユースの選手に見せたい」と言うほど高く評価しているそうです。就任からまだ2週間ですが、岡崎選手への信頼はすでに堅いですね。

岡崎 練習を見てくれていることは、すごくうれしいですね。僕は練習でやれてる選手が試合に出るべきだと思っているので。信頼されることによって責任も感じるようになるし、決めなきゃいけないという気持ちも出てきます。そういう監督のためにゴールを決められたらいいなと思います。

――話題をブンデスリーガの日本人選手に移すと、今季後半戦は苦しんでいる選手が多いようです。近年は日本人選手の活躍が際立っていますが、その一方でドイツ人に名前を知られることなく短期で帰っていく選手が多いのも事実です。ブンデスリーガの酸いも甘いも経験した岡崎さんが考える、ドイツで生き残るために必要な要素とは何でしょうか。

岡崎 ヨーロッパで活躍したいのであれば、い続けようとする気持ちがなければダメかなと思います。どれだけ厳しい状況にあっても、そこで帰らずに頑張って耐えて。日本で活躍して、日本代表に入るのが自分のモチベーションであれば、それはそれでいいと思うんです。もちろん日本でも苦労することはあるし、そこで成長しようとすれば、それもできると思います。ただ、ヨーロッパで上に行くというのが夢なのであれば、そこから離れちゃいけないと思います。

――ただ出場機会が得られない時期が続くと、選手としては試合勘を失ってしまわないか、代表チームから遠のいてしまわないかなど、さまざまな不安を感じるのではないでしょうか。

岡崎 あがくべきだと思うんですよ。何もせずに終わるのではなく、監督と話したり、練習でレギュラー組に対してガツガツ行って脅かしたり。そこで圧倒できれば、監督も絶対使う気になるだろうし、それをどこまで本気でできるかが大事だと思いますね。やはりどれだけ強い気持ちを持ってサッカーができるかだと思います。だからこそ軽い気持ちで海外に来てはいけないし、逆に「俺は絶対逃げない」くらいの気持ちで来たら、やっていけると思いますよ。

――日本人選手にとっては、コミュニケーションも大きな壁だと思います。岡崎選手自身も、マインツがTwitter上で企画したQ&Aで「マインツでは自分の面白さの半分くらいしか発揮できない」とコメントしていました。それをもどかしく感じることはありますか。

岡崎 いえ、僕はどっちでもいけるので(笑) 日本ではいじられて人を楽しませることもできますけど、逆に静かに周りを見ながら笑うこともできます。家でもあまりしゃべらずに笑ってる側ですし。

――マインツには韓国代表の具滋哲(ク・ジャチョル)と朴柱昊(パク・チュホ)が所属していますが、同じアジア人として気の合う部分も多いのではないでしょうか。

岡崎 プライベートでもよく会いますし、最近はチュホのお母さんにご飯をご馳走になることも多いです。彼らがいなかったら、めげるときもあるでしょうね。

――次節は3位につけるメンヘングラートバッハとのホームゲームです。対戦相手をどう分析しますか?

岡崎 守備も攻撃も安定しているチームなので、崩すのは難しいと思います。相手のセットされた状態の守備をいかに崩すかだと思うので、やはり動きが必要になってきますね。裏に抜けたり、引いたり、どんどん動いて。今のマインツであれば、そういう攻撃ができると思います。アグレッシブに戦うことが一番大事ですね。


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