トゥヘル氏(左)から今夏バトンを受け取ったヒュルマンド現監督(右)。現在9試合未勝利のチームを冬期中断期間で立て直せるか、真価が問われる
トゥヘル氏(左)から今夏バトンを受け取ったヒュルマンド現監督(右)。現在9試合未勝利のチームを冬期中断期間で立て直せるか、真価が問われる

8戦負けなしから9戦未勝利

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前半戦総括(マインツ)

が所属するマインツは、最終的に12位で前半戦を終えた。第17節、バイエルン・ミュンヘンに7試合ぶりの失点を与え、あわや引き分けかという展開だった一方、フライブルク、ハンブルガーSV、シュトゥットガルトといった下位クラブに勝ちきれない彼らにとって、欧州カップ戦出場という目標は遠のきつつあるのか。

開幕前予想と現状

2009年から5シーズンにわたり指揮を執ってきたトーマス・トゥヘル氏が、契約期間を1年残しながら昨季終了後に突然の辞任。緻密な戦術家を失ったマインツが新たに招聘したのは、デンマーク人カスパー・ヒュルマンド現監督だった。これまで祖国でしか指導経験がなく、ブンデスリーガ開幕前に行われた欧州リーグ(EL)の予選ではギリシャの伏兵に阻まれ本戦出場への道を断たれるなど、その手腕に懐疑の目を向ける者も少なくなかった。しかしFWマキシム・チュポモティングやMFニコライ・ミュラーらエース格が移籍でいなくなり、前線の多くが新戦力という状況ながら、開幕から8戦負けなしという好調ぶりを発揮。前監督がほぼ使用していなかった3バックも導入し、戦術の幅を広げるなど、周囲の不安をかき消すことに成功した。だがそれから一転、第9節から9試合未勝利という長いトンネルに入り、一時は2位にまで上げた順位も12位まで下げて年越し。夢の欧州チャンピオンズリーグ(CL)はもちろん、ELでさえ遠い存在となりつつある。選手個々の能力は決して低くないだけに、冬期中断期間でヒュルマンド監督がどのようにチームを立て直していくのか注目だ。

長所と短所

ヒュルマンド体制に変わり、セットプレーに磨きがかかったマインツ。FKやCKからのシュート数は75本で、レーバークーゼンの93本に次いでリーグ2番目に多い数字となっている。また決定機での勝負強さもあり、ビッグチャンス決定率は63.2%で、こちらは18クラブ中3位の成績。ただしその一方でカウンターチャンスからきっちりとシュートで終わった回数はわずか14回で、下から2番目。ヘディングからの失点数(8点)や、試合中の交代選手による得点数(0点)もリーグ最低だ。

前半戦のMVP:GKロリス・カリウス

昨季途中で起用されるとそのまま守護神に定着。今季もチームで唯一、全試合フル出場をしている。非常に素早い反応が武器で、2014年にはU—21ドイツ代表にも選出された。最前線の岡崎、中盤のヨハネス・ガイスと並んで、マインツを支える根幹の1人にまで成長したが、ポテンシャルを考えればまだまだ十分伸びしろがある。

エースストライカー岡崎

昨シーズン、マインツのクラブタイ記録となる15得点を奪った岡崎は、今季も同ペースでゴールを量産し、現在8得点。「去年よりもアシストは多く出てるから結果はすごくプラスに(捉えている)。昨季は1試合2点があったけど、今季は1試合2点は1回で、あとは1試合1点取れてるって感じなんで、ムラが無くなってきているというのはあると思う。チーム(の状態)に左右されずにゴールを取れているというのは、多少あると思うので、もっと積み重ねられるようにしたい」と手応えを感じている様子だ。ただし、昨シーズンに続き今シーズンもここまで活躍しているため、相手DFのマークがより厳しくなっているのも事実。周囲を生かし、また生かされながらゴールを奪う形を、より一層確立していきたい。

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