バイエルン攻略法

11月1日に開催されるブンデスリーガ第10節で、近年タイトルを奪い合ってきた両雄、バイエルン・ミュンヘンドルトムントが激突する。

しかし今回の対決は、これまでといささか様子が異なる。“王者”の異名を持つ前者は今季も首位をひた走り、リーグ3連覇に向け視界は良好。しかし後者は前節、2000年以来となるリーグ戦4連敗を喫し、不振を極めている。『バイエルン有利』の下馬評はそう簡単に覆らないだろう。

ではドルトムントは一体どのように戦うべきなのだろうか?これをひも解くヒントが第9節のメンヘングラートバッハ(ボルシアMG)対バイエルンに隠されている。

1位と2位の直接対決となったこの試合は、0-0の引き分けに終わった。しかし圧倒的な陣容を誇るバイエルンを相手に、ボルシアMGは戦術で凌駕。GKマヌエル・ノイアーが見せた数本のスーパーセーブがなければ、ドイツ王者に今季初の土をつけることも十分に可能だった。試合後のインタビューでルシアン・ファーブレ監督(ボルシアMG)も「試合への準備段階で、いくつかの要点に絞ってトレーニングを進めていた」ことを明かしている。

1.守備強化を生命線に

ファーブレ監督が「バイエルンを相手にした場合、(失点をしないことを)1秒たりとも忘れてはならない。さもないと彼らにゴールを奪われてしまう。それはとても危険だ」と話したように、最重要課題は失点を0に抑えること。またボルシアMGの面々は206回あった1対1の場面で、半分以上の107回に勝利している。球際でしっかり勝ちきることも、対バイエルンでは普段以上に大事なファクターとなる。

2.速攻とダイアゴナル(対角線)パス

ブンデスリーガ公式サイト独語版が毎試合後に掲載するマトリックスを見てみたい。するとこの試合でボルシアMGは、ピッチの中央を基点として縦横20~25mほどの四角形内では、ほとんど横パスをつないでいないのが分かる。中央を固めるバイエルンの守備網に引っかからないようサイド攻撃を徹底し、そして後方から前方へのパスもその多くがダイアゴナルで、素早く前線かつ逆サイドへ展開しようとする意図が読み取れる。ドルトムントもDFラインやGKから一気に前線へ飛ばし、スピードのあるMFピエールエメリック・オバメヤンやMFマーコ・ロイスらの脚力で勝負を挑むことも必要かもしれない。

3.前線に選手を残す

先述のマトリックスで、各選手がプレーに関わった位置(ヒートマップ)を見てみると、ボルシアMGの2人のFW、マックス・クルーゼとラファエルはほぼ前線に残り続けていたことが分かる。ボールを奪った瞬間に同クラブはまずサイドへ展開。快足が武器のパトリック・ヘアマン、そしてアンドレ・ハーンのアタッカーに預け、そこからクルーゼやラファエルとのコンビネーションを用い、手数をかけず前線までボールを運んでいた。これによりバイエルンは守備陣が後ろに残らざるを得ず、厚みある波状攻撃を仕掛けることが不可能となり、前線の選手だけで単調なパス回しをする場面も少なくなかった。ドルトムントも、ボールを失ったと同時に相手チームのボール保持者に対し複数人でプレスを仕掛け、再び奪い返す『ゲーゲンプレッシング』だけでなく、MFとDFの8人でブロックを固めて守り、前線の2人はカウンターのため余力を残しておくという戦い方も求められるだろう。