マインツの岡崎インタビュー

第3節でブンデスリーガ日本人最多得点を記録し、現在も更新中。ここまで5試合に出場し5得点を挙げ波に乗るマインツのが、ブンデスリーガ公式サイト(ドイツ語版)のインタビューに応じた。


――今季のマインツは6試合を終えて2勝4分と、予想以上の成績が出ています。これまでを振り返ってみていかがですか?

岡崎 忘れてはいけないのは、自分たちが欧州リーグ(EL)とDFB杯での敗退からスタートしたということです。そのときにサポーターにももっとやらなきゃいけないと言われて、それからは練習でも自発的に声を出してやるようになったのですが、それが今も継続できています。さらに移籍期限ギリギリで新戦力も入ってきて、それがうまくいっている要因ですね。

――岡崎選手個人もすでに5ゴールを決め、奥寺康彦氏が約30年間保持していた日本人選手ブンデスリーガ通算得点記録も塗り替えました。個人的な目標はどこに設定していますか?

岡崎 責任という点では、去年にも増して感じていますね。ニコライ・ミュラー(現ハンブルガーSV)だったり、マキシム・チュポモティング(現シャルケ)だったり、点を取っている選手がいなくなったので。今のチームでは自分が一番慣れていると思うし、点を取ることに関しても一番長けていると思うので。そういう意味ではプレッシャーを感じています。ELで負けてしまったのは自分のせいだと思っているし、DFB杯で負けたのも自分が決定機で外したからだと思っています。1試合1試合、自分が決めるか決めないかで結果が変わってくるという心境でやっています。だからこそ集中して毎試合少ない決定機から点を決めることができていて、5試合で5点取れているんだと思います。チームの状態も徐々に上がってきていて、だからそこ最後自分にボールが集まってくるし、それで点を取れているんだと思いますね。

――少ないチャンスを生かすというのは、マインツのようなチームでプレーする上では非常に重要なことだと思います。ですが、岡崎選手のように守備であれだけ走っていると、いざ決定機がきた時に力を出せないということもあるのではないでしょうか?

岡崎 ブンデスリーガに慣れたことで、守備やポストプレーはリラックスしてこなせるようになりました。もちろんそこでも集中してはいますが、少し負担を減らして、点を取れそうな場面で全力を出すようにしています。その分チームには守備の負担が掛かっているかもしれないですけど、自分はゴールに対してだけすごく強い集中力を持ってやっています。これはブンデスリーガとマインツのサッカーに慣れてきたからこそできることですね。

――スポーツディレクターのハイデル氏が、岡崎選手はゴールを決めなかった日はすごく落ち込んでいると以前に話していましたが、それは今でも同じですか?

岡崎 ドイツでは決めなかったときは厳しく言われてきたので。日本にいたときも決定機で外したときはすごく落ち込んだし、ただすぐに切り替えることもできます。ハイデルさんは、ちょうど自分が試合直後にベンチで落ち込んでいる姿を見たんだと思います。

――監督交代によってチームのメンタリティーや、岡崎選手に求められる役割はどのように変わりましたか?

岡崎 自分に求められることはそこまで変わらないと思います。ただ、今の監督と前の監督とではタイプが全然違いますね。前は監督が練習でも常に厳しくミスを怒ったり、そうすることで生まれていた緊張感がありました。今回の監督はどちらかというと常に静かで、常にポジティブに声を掛けてくれます。DFB杯で負けたときも「ここからはい上がるんだ」という感じであまり怒らずに、自分たちはやれるんだと言ってくれました。そういう点では前とは違って、自分たちが自発的に声を出していかなければいけないと監督が思わせてくれます。サッカースタイルに関しても、よりポゼッションを重視する感じですね。タイプが全然違うんで、それには最初みんな戸惑ったと思います。ただ今はチームの1人ひとりがやらなければいけないと思ってるいので、だからみんな頑張れるし、成長する良いきっかけかなと自分は思っています。

――マインツは来年の夏に日本への遠征を考えているようです。この計画も含め、マインツの日本での知名度を高める取り組みには岡崎選手も積極的に関わっていますか?

岡崎 マインツのフェイスブックに日本語版ができたり、そういうことは自分がきっかけになったと思っています。マインツが積極的に日本との交流を図ろうとしていることは、個人的にはうれしいですね。マインツと日本がつながりを持てるように、できることがあれば自分も協力していきたいと思っています。

――マインツが日本進出を図る一方で、岡崎選手はマインツでさまざなま活動をしているという話を聞きました。最近はサッカークラブ『FCバサラ・マインツ』を立ち上げたそうですが、そこに至った経緯は?

岡崎 自分はもうドイツに3年半いるのですが、選手としての経歴が残るだけじゃなくて、ドイツとは一生つながりを持ちたいと思っています。さらに日本の若い選手だったり、希望を持っている選手を手助けしたいとも考えていて、高校の先輩と何か立ち上げようということで、自分も関わらせてもらいました。自分はスポンサーというかアドバイザーという立場で、内部にはいないんですが、何かあれば選手を応援したり協力したいと思っています。トレーニングや試合に関わることはまったくなくて、ただそこに来た日本人やドイツ人の選手を応援して、日本の良い文化、例えば礼儀正しいとかフェアプレーとか、そういうところをチームに浸透させていければいいですね。サッカーだけじゃなくて街を盛り上げるような活動もできればと思っています。ですが、やはりつながりを持ちたいというのが自分にとっては一番大きいですね。

――ハイデル氏は岡崎選手が日本で国民的スターであることを強調しています。人気や知名度が高まっていくこととは、どのように付き合っていますか?

岡崎 自分は自分のことをスーパースターだとは思っていません。もちろん家族と出掛けたときに声を掛けられることはありますが、そういうところでもいつも自然体でいたいというのがあるので。僕の場合は街でファンに声を掛けられたら、普通にサインをしたり、写真を撮ったり、自分はいつでも自分です。スーパースターじゃないと思っているからそうできると思うんですけど、そうやっていつも行動しています。

――プライベートではどのように時間を過ごしていますか?

岡崎 今は子供との時間もすごく多いし、ここにいて一番いいなと思うのは、家族との時間が多いことです。日本にいるといろいろな人に会ったり、仕事があったり忙しくしてしまう。でもこっちにいると時間もあるので、無心で考え事もできるし、その貴重な時間に子供と遊んだりとか、バサラ・マインツに行ったりとか、カフェしたりとか。日本では味わえないゆったりとした時間の流れがあって、何もないことがすごく楽しいというか。

――昨シーズンは7位でシーズンを終えてEL出場権を獲得しました。今季もELは目標になるのでは?

岡崎 そこはいつも自分の夢です。ヨーロッパに来たのであれば、チャンピオンズリーグに出るというのが日本人の夢だと思うので。そういう意味ではマインツでそこを頑張りたいですね。ただ、マインツは毎試合緊迫した試合をするので気が抜けないし、1試合1試合勝っていきたいです。