攻守のキーマン、両サイドバックを務める内田(中央右)とコラジナッチ
攻守のキーマン、両サイドバックを務める内田(中央右)とコラジナッチ

シーズン序盤は総力戦

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ブンデスリーガ2014/15シーズン展望(シャルケ)

昨季は目標だった3位以内をひとまずクリア。既存戦力は軒並み残留し、今オフは前線を中心に代表クラスの補強も着々と敢行した。また、若手の突き上げがあるのもうれしいところ。ワールドカップ出場組がどれだけ早くトップコンディションに戻るかが鍵となりそう。

秩序の遵守

手堅く守り、リスクマネジメントをモットーとするケラー監督は、コンパクトな陣形を保つことに強いこだわりを持っている。攻撃では安全なパス回しを展開しポゼッション率を高め 、基本的にはサイドから崩すことが目標。そのためには両サイドバックの攻撃参加も不可欠となる。中盤中央の3枚は柔軟にポジションを変え、1トップのサポートもしなければならない。チュポモティングの加入により攻撃のバリエーションは増加するだろう。 いずれにしても選手たちはケラー監督により設けられた約束事を遵守しなければならない。

控えも含めた総力戦

プレシーズンでは負傷者も続出。彼らのうちファルファンとギーファーを除けば、そう遠くない将来に戦列復帰が可能と見られているが、開幕を迎えるにあたって不安は尽きない。ブラジルワールドカップで上位まで勝ち進みチームへの合流が遅れたヘーベデス、ドラクスラー、フンテラーらがトップコンディションになるまで、控え選手たちの奮起に期待したい。

プレシーズンの勝者

トップ下のポジション争いでは弱冠18歳のマイヤーが頭一つ抜きん出ている。同選手はかつて左MFで試されたこともあったが、“10番”を希望するドラクスラーを左に、ボアテングをボランチに追いやり、攻撃の要として君臨している。ケラー監督も「マックス(マイヤー)は左サイドでは生きない」と公言し、同選手のトップ下は約束されたようなものだ。

未来を担う逸材:ドニス・アブディジャイ

ドラクスラー、マイヤー、アイハンに続く次世代のタレントは、彼を置いて他にはいない。2014年2月、クラブは同選手と2019年までの長期契約を結び、違約金を約67億円に設定したことからも、その期待の大きさが分かるだろう。プレミアリーグの強豪トッテナムとの練習試合では10分間の出場にとどまったが、そこには弱気な姿などどこにもなかった。「僕は自分自身をベストなところにもっていけるんだ」と話す姿は、17歳のそれではない。模範とするメッシやロナウドに肩を並べる日はそう遠くないかもしれない。

内田篤人

近年は度重なる筋肉系の負傷に悩まされ、現在もひざに負った炎症からの復帰を目指し調整の日々。1年を通して五体満足でプレーできないのは本人にとってももどかしいだろう。しかし今オフ、指揮官は右サイドバックを補強しておらず、つまりそれだけ内田への信頼は厚い。じっくりけがを治して、再びピッチの上で躍動してもらいたい。


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