フランクフルトの2013/14シーズンを振り返る

アイントラハト・フランクフルトは2013/14シーズンを13位、9勝16敗9分の勝ち点36の結果で終えた。前半戦はリーグ戦とカップ戦でまったく違う顔を見せ、DFB杯でベスト8、欧州リーグ(EL)ではベスト32まで進出した一方で、リーグ戦では15位に沈んだ。一時は残留争いに巻き込まれたが、後半戦途中から調子が上向いたことで最悪の事態は免れた。

乾貴士は前半戦ではコンスタントに出場機会を得ながらも結果が伴わず、後半戦に入って徐々にプレー時間を減らしていった。今季の出場は14試合(先発10回)。15本のシュートを放ったが、得点・アシストともに0で終わった。その結果、日本代表での序列も落とすことになり、12日に発表されたW杯ブラジル大会の23人から漏れた。

MVP:GKケビン・トラップ


ELで快進撃を見せた昨年、GKケビン・トラップはいぶし銀ともいえる堅実な守備を披露した。2年前に2部のカイザースラウテルンからフランクフルトへ移籍した23歳は、1対1のスペシャリスト。相手選手が近づいてきてもすぐに飛び込まず、最後までシュートコースを見極める冷静な対応で幾度となく窮地を救った。

そのポテンシャルを考えると、今回ドイツ代表に選ばれたとしても不思議ではなかった。しかしトラップはマヌエル・ノイアー(バイエルン)をはじめとした代表GKとの力の差を自分自身でも認めている。代表へ選出されなかったことについては「うれしい、良かったと言ったら嘘になってしまう。でも招集されるとも想像していなかったから」と話している。しかし今季のようなパフォーマンスを今後も見せ続けた場合、いつの日かドイツを背負って戦う選手になることは間違いない。

成長株:FWホセル


長い時間がかかったとはいえ、後半戦での急成長ぶりは目を見張るものがある。大事な場面での得点を重ねることで、クラブが残留争いから早期に脱出することに一役を買った。ホッフェンハイムから期限付き移籍でフランクフルトに加入した24歳のFWは、今季24試合に出場し9ゴール。しかし192cmの長身ストライカーにはまだ伸びしろがある。改善が必要な点としては、前線でボールを受けた際のキープ力、動きの味方との連動性などが挙げられる。フランクフルトが完全移籍に踏み切る可能性も十分に考えられる。

総括と展望


EL参戦はフランクフルトファンが長い間待ち望んでいたこともあり、大いに盛り上がった。1万2000人のサポーターが駆けつけたアウェーのボルドー(フランス)戦が、それを象徴している。この1年を通して、熱心なサポーターがフランクフルトの強みであることが改めて実感された。

一方でブンデスリーガ、DFB杯、ELの3大会を平行して戦わなければならない状況はチームの負担となり、特に前半戦はリーグ戦での成績不振を招いた。結果として選手層の薄さを思い知らされることになったが、来季ELに参戦しないことを考慮すると、国際経験を得て一回り大きくなったチームは再び上位が狙えるかもしれない。

乾貴士の今季を写真で振り返る