監督がシャルケの将来について語る

日本代表DFが所属するシャルケは今シーズン、多数のけが人を出しながらも、イェンズ・ケラー監督のもとで来季チャンピオンズリーグの本戦出場権獲得へ向け順調に前進している。今回は主力の離脱を補って有り余る活躍を見せる若手の台頭について、監督自身の声を聞いた。

――監督は1年半前には成功からほど遠かったチームを、あえて若手を起用することで見事に立て直してました。その点を振り返ると、いかがですか?

ケラー監督 それは私の功績ではありません。良くやってくれた若手を誇りに思います。1つ言っておきたいことは、けが人が出たから若い選手が起用されたのではなく、あくまでも彼らが十分な力を持っていたからこそ起用につながったということです。ドラクスラー、マイヤー、ないしはコラジナッチ、彼らはチームに空いた穴にフィットしていたから出場できたわけです。

――ライバルのドルトムントからも賞賛の声が上がっていますが、すべてが監督の手柄というわけではないと。

ケラー監督 もちろん賞賛の声については、自分としてもうれしく思います。ドルトムントの件は知りませんでしたが、他方からは多くの正反対の意見を長い間聞かされてきました。自分としては否定的な意見は受け流し、常にポジティブな発言をするよう努めていました。サッカーの世界では何かの拍子に状況が一変するということも珍しくありませんから。

――監督はチームを作った張本人ではあるのですが、驚かされたことも多くあったのではないでしょうか?

ケラー監督 もちろん、驚きの連続でした。特に離脱者が多く出たことで、毎週チームを新たに組み直さなければなりませんでした。これまで出場機会の少なかった選手をいきなりピッチへ送り込まざるを得ない局面もありましたが、それでもうまくいきました。普通はこううまくはいかないものです。

――どの選手の成長に一番驚かれましたか?

ケラー監督 マイヤーは昨年すでに試していましたし、コラジナッチもコンスタントにプレーできることはわかっていました。びっくりしたのは、DFアイハンでした。彼の能力自体ではなく、最初から堂々とした態度でプレーしていたことにです。ヘルタ戦でミスをした時も人に頼るのではなく、すぐに自らいいプレーをすることで挽回しました。あとはMFザーネとFWアブディジャイの2人にも驚かされています。うちには2、3年先が楽しみな選手たちがまだまだいます。

――シーズン終了までに4試合を残し、チームはチャンピオンズリーグ出場権を得るチャンスだけでなく、準優勝も可能な位置にいます。バイエルン戦とレアル・マドリード戦での大敗から、どう立て直されたのでしょうか?

ケラー監督 バイエルンとレアル・マドリードはうちと同じレベルにはいないと、常日頃からチームに言い続けてきました。この両クラブとの試合前はいい準備をして勝ち点を積み上げていましたし、その後もそうです。このヨーロッパ、ないしは世界の両雄を相手に試合をするとなれば、うちのような若いチームは大敗してもおかしくありません。このことは選手に何度も言って聞かせました。

――これからチームはどう成長していくと思われますか?

ケラー監督 このままメンバーが入れ替わらなければ、うちは信じられないほどのポテンシャルを秘めていると思っています。すでに言ったように、次の世代の選手たちが下から上がってくるからです。もう2、3年したらチームは大分完成しているでしょうね。

――冬季中断期間にジョーンズがクラブを去って行ったことは、ターニングポイントとなったのではないでしょうか? それとも現在の状態は、これまでのプロセスの延長線上にあるとみていますか?

ケラー監督 我々スタッフが徐々に変えてきたこと、チームが取り組んだ小さな努力の積み上げが今につながっていると考えています。ただFWフンテラーがけがからの復帰後すぐに活躍してチームを引っ張ったことは大きかったですね。ジョーンズの移籍がポジティブに働いたとは思っていません。彼もまたうちのチームのために、素晴らしいプレーをしてくれたのですから。


聞き手 Andreas Kötter (アンドレアス・ケッター)