ヘルマー氏はドルトムントとバイエルンの両クラブで現役時代を過ごし、今はスポーツ放送局Sport1の解説者として活躍している(©Imago)
ヘルマー氏はドルトムントとバイエルンの両クラブで現役時代を過ごし、今はスポーツ放送局Sport1の解説者として活躍している(©Imago)

バイエルン「先制することが大切」

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解説者のヘルマー氏、マンUとの第2戦を予想

バイエルンは4月9日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝第2戦でマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)を本拠に迎える。第1戦を1-1で引き分けたため、やや有利ではあるが、4強入りが約束されているとは言えない状況だ。

今回は現役時代にバイエルン、ドルトムントで活躍したテレビ解説者のトーマス・ヘルマー氏に第2戦の試合展開を予想をしてもらった。

――マンチェスターでの第1戦は、意外な結果になりました。バイエルンが70%のボール支配率だったにもかかわらず、最終的には引き分けに終わっています。

ヘルマー氏 「意外」とはどういう意味ですか? バイエルンは圧倒的な試合を披露しました。マンUはかつてチャンピオンズリーグの決勝でチェルシーがしたように、カウンターに徹していました。私はバイエルンが悪かったとはみていません。むしろマンUが弱かったように思えます。

――しかし、バイエルンは準決勝進出がおぼつかない状況です。

ヘルマー氏 そうですね。試合結果については批判が出て当然でしょう。

――もっと賢い戦い方をしたら良かったのではないでしょうか? 例えばマンツキッチを先発させることも考えられたと思います。

ヘルマー氏 確かにミュラーはヘディングの強い相手センターバックに競り負けていましたし、それを受けてグアルディオラ監督も修正することになりました。マンツキッチはこういう試合で生きる選手です。ミュラーは悪かったわけではありませんが、マンツキッチが入ったことでバイエルンが勢いづいたことは確かです。

――第2戦でマンUはどのような手法を取ると思われますか?

ヘルマー氏 第1戦と同じように、引いて守ってくると思います。バイエルンはボールを持って、試合を支配するでしょう。これは典型的なバイエルンですし、またそうでなければいけません。第1戦のように先制されるのだけは避けなければなりません。自分たちが先に得点することが大切ですが、その点については私は楽観的に見ています。

――なぜ楽観的でいられるのでしょうか?

ヘルマー氏 チーム、指導者、今季の素晴らしい戦いぶりを見ているからです。バイエルンは経験も知識も豊富ですから、ホームでのこういった試合をどう戦えばいいかわかっているはずです。マンUも伝統的にいいチームですが、今は数年前と比べると少し力が落ちます。

――ティアゴ、マルティネス、そしてシュバインシュタイガーが出場できません。この影響はどう出るでしょうか?

ヘルマー氏 どの選手もチームにとって重要な選手ですから、ハンディキャップであることは確かです。特にシュバインシュタイガーはゴールを脅かすことができる存在ですから、その欠場の影響は大きいですね。ですがバイエルンの選手層には、3人の欠場を補えるだけの厚さがあると思います。

――シュバインシュタイガーの代役としてはクロースは有力でしょうか?

ヘルマー氏 彼はこれまでに守備的MFとしてプレーした経験がありますし、決して不慣れなポジションではありません。ラームと一緒に、というのがいいのではないでしょうか。

――シュバインシュタイガーとクロースを比較したとき、違いはどの辺にあるでしょうか?

ヘルマー氏 シュバインシュタイガーの方が年齢が上ですから、より経験も積んできていますし、多くのゴールも挙げています。クロースに何か注文をつけるならば、もっとゴールを奪って欲しいということです。ボールを回すのがうまいという点では両者似ていますが、クロースは卓越したシュート技術も持ち合わせています。これをもっと生かすべきです。例えば、セットプレーなどで。

――守備的に試合を進めるマンUを相手にした場合、ラームの1ボランチか、それともクロースとのダブルボランチ、どちらがいいでしょうか?

ヘルマー氏 バイエルンはとてもフレキシブルにプレーできます。ボランチの1人が前にスライドしたり、両サイドバックもかなり高い位置にポジションを取ることが多いです。チームはこのスライドする動きを完全にマスターしているので、どんなフォーメーションでもいいでしょう。全く問題はありません。


聞き手 Andreas Messner (アンドレアス・メスマー)