ニュルンベルク 清武と長谷部の指揮官が持つ信念

後半戦開幕から4勝1敗で勢いに乗るニュルンベルク。最後まで1勝もできなかった前半戦の重苦しい空気は完全に吹き飛んだ。この結果を、チームとともにどん底を味わったフェルベーク監督も内心は喜んでいるはず。だが、2-1で勝利した第22節ブラウンシュバイク戦の後、監督が見せたのは怒りだった。

「自分は実はすごく腹を立てている」と切り出した監督は、「前半は選手がまるで寝ぼけているかのようで、最悪の内容だった」と怒り心頭。最下位相手に1点リードされた状態で前半を折り返したチームに対し、「うちがしょせんニュルンベルクにすぎないんだということを絶対に忘れてはいけない」と声を荒げた。

少々辛口すぎるところもあるが、フェルベーク監督は厳しい人物として知られている。バーダー・スポーツディレクター(SD)は「練習の時に監督がグラウンドに出てくると、選手たちが急に背筋を伸ばして気をつけの姿勢をとる」と冗談交じりに話す。しかしその一方で、チームの精神的な支えになっているのもまた監督。バーダーSDは3点リードから追いつかれ、チームの我慢が限界に達した第14節ハノーファー戦後のエピソードを語る。「誰もがどん底に沈んでいる中で、監督だけはすぐに切り替えていた。何が起きても動じない監督に対し、選手は尊敬の念を抱いている」。

清武は監督がチームにもたらすポジティブな空気を感じ取っており、「言葉数は少ないけど、1つひとつをとったらすごく良いことを言っている」と称賛する。また、「監督は常に自分たちのサッカーをしたい人なので、それができなかったら怒るし、できたら怒らない。はっきりしている」と、分かりやすさにも好印象抱いているようだ。

後半戦はMF長谷部、DFポガテツ、FWギンツェック、DFチャンドラーら主力が次々に離脱し、開幕から万全とは程遠い状況だ。しかし監督は、SBを本職とするピノラのCBコンバートを成功させるなど、敏腕ぶりを発揮している。この点でも、バーダーSDからの信頼は厚い。「監督は選手の適性を見き分ける能力に長けている。また、どの選手にも平等にチャンスを与え、練習で動きのいい選手から先発に使っていくという姿勢を貫けるのは彼の強みだ」。

現在、上昇気流に乗っているニュルンベルクだが、この勢いをどれだけ保てるかは、監督の手腕にかかっていると言える。ただ、厳しいフェルベーク監督の下では、浮かれる選手が出てくるということはなさそうだ。「サッカーは気持ち勝負。メンタル次第で何とでもなる」という精神論者の監督が、ニュルンベルクをどういうチームに作り変えていくのか。まだまだ、チーム作りは始まったばかりだ。