昇格シーズン前半戦は、細貝(左)ら移籍組の活躍が目立ち、終盤になってロニー(右)も調子を上げてきた
昇格シーズン前半戦は、細貝(左)ら移籍組の活躍が目立ち、終盤になってロニー(右)も調子を上げてきた

ヘルタの前半戦を振り返る

xwhatsappmailcopy-link

昇格組のサプライズ集団、6位で折り返し

プレーツとルフカイは成功の親

今季ブンデスリーガに昇格したばかりのヘルタは6位で前半戦を終了し、この結果にふさわしいチームとして周囲を驚かせた。

昨季はブンデスリーガ2部で過去にないほどの素晴らしい成績を残し、当然のように1部昇格を果たした。しかし相当楽観的なヘルタファンであっても、この前半戦の輝かしい戦いぶりはシーズン前には想像できなかったはずだ。第17節までに勝ち点28を獲得し6位で折り返し、シーズン終了時であればEL出場権が獲得できる順位。失点20もリーグ5番目の好成績だ。


前半戦で勝ち点20というチーム内での目標を達成しただけではない。ルフカイ監督率いるチームは、降格圏とは勝ち点差14をつけている。すでに残留争いからは抜け出した状態と言える。

この前半戦を表現するには、戦い抜いたという言葉がふさわしいだろう。ビッグスターは存在しないが、チームは常に団結し、監督も戦術的にすべての試合で完璧に近い采配を見せた。夏期移籍期間にこの下準備を成功させたスポーツディレクターのプレーツ氏の功績も大きい。

新加入の6選手全員が活躍


プレーツ氏は、昨シーズンのヨス・ルフカイ氏が就く監督という最も重要なポストに続いて今夏、4人の新選手と契約した。ゼバスティアン・ラングカンプ、ヨハネス・ファンデンベアクはその豊富な経験によってディフェンスラインに安定性をもたらし、細貝萌は守備的MFとして前主将ペーター・ニーマイヤーのポジションを奪い、アレクサンダー・バウムヨハンはトップ下として不調のベテランMFロニーに欠けるテンポとダイナミックさを示した。

8月末に十字じん帯を負傷し前半戦の残りすべてを欠場したバウムヨハンは、不幸中の幸いだった。これによってプレーツ氏は再度移籍マーケットに目を移し、新たに2選手を獲得。期限付き移籍のペア・シェルブレッド、トルガ・ツィゲルツィがチームを補強することとなった。

これまでになく好調のラモス


ルフカイ監督は特に、ボランチからセンターバックへコンバートされた新主将ファビアン・ルステンベアガー、ボランチに細貝、そして前線にラモスというセンターラインに信頼を置いた。ラモスは前半戦17試合で、昇格を果たした昨シーズン通算ゴール数と同じ11得点を挙げ、ブンデスリーガ自己新記録を達成。

しかしエニス・ベンハティラ、ニコ・シュルツ、サミ・アラギといった選手も成長を遂げている。18歳のMFハニ・ムクタルとGKマリウス・ゲアスベックもトップチーム昇格を果たした。

スターである監督


このチームの密かなスターはヨス・ルフカイ監督だ。試合ごとに全体的なプランを持ち実践できると証明した一方で、一人ひとりの選手を巧みに操っている。ロニーのようなスター選手に対しての措置からも、それは明らかだ。ロニーは長いこと期待に応えられず、先発は4試合に終わった。また、若手のブルックスは第16節、パフォーマンスが悪くハーフタイムを迎える前に交代させられている。

ヘルタは前半戦最後の4試合を3勝1分で終え、ポジティブに冬季リーグ中断期間を迎える。これは後半戦でも同様の結果が期待できる兆候かもしれない。

André Anchuelo(アンドレ・アンチュエロ)