今夏加入のヘルタで全試合先発、チームをけん引

ブンデスリーガに所属する日本人8選手にとって、2013/14シーズン前半戦は明暗を分ける形となった。bundesliga.comではそれぞれの活躍を数字データを交えて紹介する。

日本代表MF (ヘルタ・ベルリン)が渡独してから、もうすぐ丸3年が過ぎようとしている。現在ブンデスリーガでプレーする日本人選手では唯一、この短期間に3つのチームを渡り歩いている異色の存在でもある。

2010/11シーズン後半戦、細貝は当時ブンデスリーガ2部のアウクスブルクへ移籍した。7試合に出場し昇格に貢献すると、翌2011/12シーズンは、14位でシーズンを終えたアウクスブルクの主力として活躍しチームを残留に導いた。しかし強豪レーバークーゼンへプレーの場を移した昨季は定位置獲得に至らず。シーズン通算で12試合の出場に終わり、少ない出場機会に与えられたポジションもほとんど本職のボランチではなくサイドバックだった。

心機一転、ドイツ3つ目のクラブとなるヘルタ・ベルリンを選択した今シーズンでは、再びその存在感の大きさを示している。アウクスブルク時代の恩師であるルフカイ監督の存在が決め手となったこの移籍は、細貝にとって大きな転機であり、また成功への第一歩と言えるだろう。チームは今季、昇格組としては驚くべき強さを発揮。開幕節を首位でスタートし、前半戦を欧州リーグ(EL)出場権獲得圏内の6位で折り返した。

その原動力として常に名前が挙がるのが、細貝をはじめとする今季加入選手だ。ヘルタは「今夏、最も補強に成功したクラブ」と言われ、ボランチとしてチームを引っ張る細貝は6-1で日本代表MFのアイントラハト・フランクフルトに大勝した開幕戦節MVP候補になる活躍ぶりを見せ、前半戦全17試合に先発。17戦で1514分の出場時間は、同じく全試合に先発した日本代表MF清武弘嗣ニュルンベルク)の1358分をはるかに上回り、日本人選手トップの記録である。ドイツで重視される1対1での競り合いの勝率48.2%と決して高くないが、これはリーグ2位の44回というファウル数も要因の一つであり、また、1試合の平均走行量11.07kmという豊富な運動量と粘り強いプレッシングでそれをカバーしている。

開幕戦では積極的な攻撃参加を見せた細貝だったが、その後は守備的なプレーに徹底。「後ろ目に残ることでチームのバランスを整える役割を与えられているので、前の選手がやりやすいように支えていくことでチームの得点力が上がれば」と、自分のこなすべき役割を説明している。

常にチームのためにプレーする姿勢を崩さず、「自分が目立たなかったとしても、その役割に応じてプレーしていくことがチームのためになるのであればそれがいいのかなと思う」と話す細貝に対しては、ルフカイ監督も全幅の信頼を寄せており、前半戦終盤にけが人による選手不足のためとはいえ、守備の要であるセンターバックを任されたことにもそれは表れている。信頼置ける指揮官のもと、後半戦でも細貝が好パフォーマンスと献身的なプレーでチームを上位に導くことは間違いない。


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