バイエルンで今季7試合に出場、1得点のゲッツェ(左)
バイエルンで今季7試合に出場、1得点のゲッツェ(左)

ドルトムントの新旧MFを比較

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ドルトムントからバイエルンに移籍したゲッツェとその後釜ミキタリヤン

接戦では目立たず

今夏、ドルトムントがクラブ史上最高額の移籍金をはたいて獲得したMF(24)。今でこそ誰もが知るスーパースターだが、移籍当時はドイツでは無名だった。バイエルンに移籍したの後継者として背番号10を背負うミキタリヤンだが、両選手に共通するのは背番号以外にはないようだ。

ミキタリヤンは今季開幕前「ゲッツェと僕は個人能力の面でも弱みという面でもまったく違うタイプの選手です」と話していた。第13節ドルトムント対バイエルンではついに2人の直接対決が実現する。この頂上決戦を前に、ブンデスリーガ公式サイトは今季これまでのミキタリヤンと、昨季のゲッツェを比較した。


今季開幕戦はけがで欠場したミキタリヤンだが、第2節以降は温存されたニュルンベルク戦を除き全試合で先発した。6-2で勝利したハンブルガーSV戦、3-1で勝ったシャルケとのダービーなど、圧勝した試合では非常に際立つ活躍をみせたが、逆に接戦では試合では目立ったプレーができなかった。

特に敗戦を喫した前節ウォルフスブルク戦、そして欧州チャンピオンズリーグのアーセナル(イングランド)戦ではまったく活躍できなかった。チーム第2のゲームメーカーであるMFギュンドアンが離脱中の今は特に、ミキタリヤンが司令塔として機能しないとチーム全体が厳しい状況に陥ることが多い。

得点力、パス成功率ではゲッツェが上


ゲッツェはドルトムントに所属していた昨季、1得点に要したシュート数が5本以下だった。それに対しミキタリヤンは、8本打っても1本入るか入らないかという確率。全体的に今季のドルトムントはチャンスを生かせないことが多い。決定的チャンスにおける得点率では、44.4%のゲッツェが、33.3%のミキタリヤンを大きく上回る。

ゴール以外の点でもミキタリヤンはゲッツェに比べて目立たない。ボールタッチ数は1試合平均54.9回で、ゲッツェの昨季平均66回より少なく、パス失敗率は22.2%と昨季のゲッツェの14.5%よりも大幅に高い。

ミキタリヤンの強みはスピード


ミキタリヤンがゲッツェよりも優れた数値を記録した分野は走行距離。スプリント数でも1試合平均31回弱と、ゲッツェの22回弱を上回る。シャルケ戦でもチーム3点目につながるカウンターの場面で、フィールドをすさまじいスピードで独走し、ブワシュチコフスキのゴールを呼び込んだ。

この頂上決戦では、初めてドルトムントの新旧司令塔がピッチ上で顔を合わせる。ドルトムントが、俊足ミキタリヤンを頼りに勝機を見出すことになるのは間違いない。敗戦はバイエルンの首位独走を意味するだけに、ミキタリヤンの背負う責任は重い。

Sebastian Blome (ゼバスティアン・ブローメ)