第12節メンヘングラートバッハ戦では21分にFWドリミッチ(左から2人目)が決め、先制に成功した
第12節メンヘングラートバッハ戦では21分にFWドリミッチ(左から2人目)が決め、先制に成功した

結果伴わず、ニュルンベルク

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パフォーマンス向上も、第12節を終えていまだ勝ち星なし

ポジティブな変化

日本代表MFと同MFが所属するニュルンベルクは11月9日の第12節でメンヘングラートバッハに逆転負けを喫した。チームとしてのパフォーマンスは上がってきているものの、いまだドイツ国内リーグ1部〜3部までを見渡しても唯一勝利のないチームとなっている。

第11節フライブルク戦では試合内容で優りながらも、決定力不足に泣いた。この悔しさを胸に臨んだ第12節はメンヘングラートバッハ相手に苦戦が予想されたが、先制に成功したことで勝利への期待が一気に高まる。しかし前半で追加点のチャンスを生かし切れなかったことが仇となり、後半に逆転を許した。

アウェーながらシュート19本を放ち、センタリングの数でも26対8でメンヘングラートバッハを大幅に上回ったが、またしても内容に伴う結果が得られなかった。数少ないチャンスから効率よく得点したメンヘングラートバッハとは対照的な試合運びとなった。

ニュルンベルクのフェルベーク監督は試合後「まだ結果は出ていないが、ポジティブな変化が出てきている。近いうちに結果もついてくるはず」と自信をみなぎらせる。メンヘングラートバッハのファーブレ監督も「ニュルンベルクは素晴らしいパフォーマンスをみせた」と賞賛した。

ニュルンベルクの頑張りは数字にも表れており、チーム走行距離は前半だけで66キロ。後半も走り続け、90分間では第12節リーグ2位の127.9キロという数字をたたき出した。対戦相手を6キロも上回っている。

しかしフェルベーク監督は「ウチは最後は疲れて、動きが鈍くなってしまった」と終盤のチャンスを逃した場面を悔しがる。「きょうのような試合では最後まで戦わなくてはいけない。ただチームが降格圏にいると、それが決して簡単なことではなくなってしまうこともある」。

残留に赤信号


ニュルンベルクでは2008年3月以来初めて残留に赤信号が灯っている。同シーズンは前年にDFB杯で優勝していたにも関わらず、降格を余儀なくされた。現在の成績がいかに振るわなかったとしても、当時の二の舞だけは避けたい。

第12節を終えて勝ち星のないチームが出たのは、ブンデスリーガでは19年ぶり。勝ち点2および3ゴールというホームでの成績、ゴール枠に嫌われたシュート10本、ロングシュートによる7失点というのは稀に見る数字だ。しかしまだ悲壮感が漂うという雰囲気ではない。

状況を打破するための力


ニュルンベルクのバーダー取締役は「ここ2、3週間のチームの成長ぶりには素晴らしいものがある。残念なのは、結果につながっていないということだけ。メンヘングラートバッハはこれまでホームで5戦全勝の強いチームだ。きょうウチは負けたにもかかわらず、各方面からお褒めの言葉をもらった。こういったことが状況を打破するための力になる」と語った。

主将シェーファーは「きょうは70分までは完璧だった。たくさんのチャンスも作れていたし、チームが成長していることは明らか。あとは諦めずにこのままやり続けるだけ」とチームが歩むべき道を示した。

ここまで5得点でチームをけん引するFWドリミッチは「しっかり反省して何が改善できるのかを分析しなければならない。一方でうまくいっていることがあるのも忘れてはならない」と前を向く。

次節はヘッキング監督のウォルフスブルクと


難題を突き付けられているフェルベーク監督。3試合を経ていまだ勝ち点1しか取れていないが、チームの復調を確信している。次節の対戦相手は、昨年12月までニュルンベルクで指揮を執ったヘッキング監督のウォルフスブルクだ。相手は第12節でドルトムントを下した難敵だが、待望の今季初白星が得られるかに注目が集まる。